34歳で開業、国際的スポーツ大会でトレーナーの経験も。3つの顔を持つ若手社長【卒業生インタビューvol.4】

34歳で開業、国際的スポーツ大会でトレーナーの経験も。3つの顔を持つ若手社長【卒業生インタビューvol.4】

「整骨院の出口は治療ではなく“運動”だ」

そう語るのは、34歳という若さで整骨院を開業し、組織のトップとして今後のトレーナー界を牽引するであろう、株式会社SAMONAの代表取締役 鮫島洋一さん。ある時はトレーナーとして、ある時は医療人として、ある時は経営者として3つの顔をもつ。

小学校から大学時代まで陸上部の選手として活躍し、そしてケガをきっかけに彼の人生に転機が訪れる。ケガをしてお世話なったのが、その当時治療やリハビリを行ってくれていたトレーナーの先生。

その先生は鮫島さんにとっての「師匠」。彼の人生に最も影響を与えたと言っても過言ではない存在だ。

今回は、2013年に日本健康医療専門学校の柔道整復学科を卒業している鮫島さんに、開業に至るまでの道のりや、ニッケンで学ばれていた時のこと、師匠から影響を受けたことなどを伺った。

    

人生に影響を与えた「師匠」との出会い

     

Q:トレーナーになろうと思ったきっかけを教えてください。

    

―― 小学校4年生から大学4年生までずっと陸上競技の短距離走をやっていました。やはりスポーツにはケガがつきもので、高校3年生の時に競技を続けられないほどのケガをしてしまいました。しかし、その当時のトレーナーの先生にサポートしていただいたこともあり、そこで屈することなく大学4年生で自己ベストを出すことができました。

そのような経験やお世話になった先生方の影響もあり、自然とスポーツ関係の職に興味が湧いてきて。そして就職活動をする時期になって、当時のトレーナーの先生にもいろいろとアドバイスをもらい、整骨院への道を決めました。

    

Q:大学時代の先生こそが「師匠」と呼べるトレーナーの先生でしょうか?その先生からどのような影響を受けましたか?

    

―― 師匠と呼べる先生には、大学1年生から治療でお世話になっていました。その先生は、治療の技術もすばらしいのですが、リハビリに関する技術や知識が豊富で。整骨院と鍼灸の治療だけでは十分ではなく、運動療法をしっかり教えてくれる先生でした。

僕は高校時代のケガがあったので、ケアしながら走り続けていたのです。その先生からのサポートを受けることで、筋肉の力や柔軟性なども上げないと高いパフォーマンスにはつながらないことを、身をもって体験しました。確実に体も走りも良くなっていきましたね。

なので、その先生がいたからこそ今の僕がある。大変影響を受けました。

    

Q:34歳で開業に至るまでは、どのような道のりをたどられてきたのでしょうか。

   

―― 開業までに、決めていたことがあります。30歳までに「鍼灸マッサージ師」「柔道整復師」「アスレティックトレーナー」の3つの資格を取得すること。35歳までに独立・開業を果たすこと。師匠の先生にも相談して、このようなキャリア設計を決めました。

実際のところ大学卒業後、鍼灸の学校と、スポーツトレーナーの学校にダブルスクールして資格を取得し、その後でニッケンの柔道整復学科に通い資格を取得しました。

ニッケン卒業後は、学生時代からアルバイトしていた会社に入社しました。当時3つの資格を保有していたこともあり、グループ内の院の院長としての仕事を任されました。実はその時、学生時代の同級生と一緒に入社したのです。それが今の「サモーナスポーツ整骨院」の立ち上げメンバーというわけです。

   

学生時代にメジャーリーグのスプリングキャンプへ

    

Q:日本健康医療専門学校ではどんな学生時代を過ごしていましたか?

    

―― ニッケンには平日と土曜日の午前中に行って、午後は治療院でアルバイトという日々でした。整形外科と整骨院とトレーナーの仕事を掛け持ちしていたので、休みはほとんどなし。年齢的にも当時27歳で、まわりは18歳とか。とにかく早く経験を積みたかったので、そのような日々が当たり前でしたね。日曜日はトレーナーとして、研修や試合に行くこともありました。

    

Q:日本健康医療専門学校を選んだ理由を教えてください。

    

―― まず、独立・開業にあたり「柔道整復師」の資格が必要で、その学科があったことが理由です。学生をサポートしたいということもあり、開業する際は保険が使えて通いやすい治療院を目指していたので。あとは、自宅から学校へのアクセスがよいこと、午前中に授業が受けられることが決め手でした。アクセスがよいこと、午前中に授業が受けられることが決め手でした。

        

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Q:日本健康医療専門学校は、どんなところが魅力だと思いますか?

     

―― 先生の授業がとてもわかりやすいです。先生方はドクターであり専門知識があるので、質問に対してしっかり丁寧に教えてくれました。質問もしやすい環境で、時間外でも対応してもらった記憶があります。

    

あとは、トレーニングルームがあったのが良かったです。トレーニングをしながら、解剖を覚えたり、トレーニング現場に出ている人と交流ができたり。クラスや学年の垣根を越えて、交流ができるスペースがあるのはとてもいいなと思いました。

     

Q:学生時代の経験として、印象的なことはありますか?

   

―― 28歳の時、アメリカのメジャーリーグのスプリングキャンプに1週間行ったことです。オフィシャルで行ったので、選手のロッカールームに入ってケアやマッサージをしました。他にも、千葉国体陸上競技や、 MLBワシントン・ナショナルズの公認インターン、全世界空手道選手権大会でのトレーナー経験もあります。

    

Q:いろいろと経験されていますね。特にメジャーリーグでは緊張されなかったですか?

     

―― それが自然と緊張とかはなく、「アメリカでもできるだろうな」と思っていたのです。言語の壁はありましたが、技術的な不安はなかったですね。後半は選手とのコミュニケーションもとれてきて、トレーニングを積極的に行えるようになりました。

    

    

「治療×リハビリ」患者さん側の院を作りたい

    

Q:34歳という若さで「サモーナスポーツ整骨院」を開業されています。お店のコンセプトや強みを教えてください。

    

―― コンセプトは「治療×リハビリ」。これは先にお話した師匠から教えられた、体をケアするには治療だけでなく、運動療法も重要だということが原点にあります。「1回行ったら良くなった」ではなく、患者さんと一緒に治していく、患者さん側の院を作りたかったのです。

そうでないと、独立する意味がないと思っていました。これでうまくいかなかったら、この仕事をやる意味がないとさえも思っています。だから何がなんでも成功させようと。

院では、座り方や姿勢、生活のアドバイスも行っています。ただ治療しただけでは、また同じ姿勢やライフスタイルを過ごしているうちに、同じところに負担がかかってしまいます。治療だけで終わらないところが強みです。

     

Q:開業では、大変なこともあったのではないでしょうか。

    

―― 当時、周りからの反対もありましたね。「そのモデルではうまくいかないよ」とか、「ベッドの数はそれだけだと儲からないよ」とか(笑)

でも、僕の根底にある思いは、大学時代から変わっていませんから。治療とリハビリの両方ができるお店を作りたかったので、運動ができるスペースがどうしても欲しかった。儲かる、儲からないも大事ですが、体を動かす大切さやその技術、知識を患者さんへ提供したいと思い、今のお店を運営しています。

   

Q:開業は、同級生の3名で立ち上げられたとお聞きしました。

    

―― 実は、「サモーナ」という名前は、立ち上げメンバーの頭文字をとっています。もともと僕は、学生時代からトレーナーのチームを組織していて、20〜30名で勉強会をしたり、各地へトレーナーを派遣したり。当時からその組織でも一緒にやっていて、ニッケン卒業後に働いていた会社でも、一緒に勤務していました。それこそ「独立を前提に事前に一緒に働こう」ということで入社し、その会社で実務を積んで、考えを共有し固めていき、信頼を育んでいったかたちです。

だから、そこでの経験があり彼らがいたからこそ、独立して開業することに迷いや不安がなかったです。

   

Q:開業する上での心構えをお聞かせください。

    

―― 昔からの性格もありますが、僕は「常に最悪を想定」しています。最悪を想定した上で、それが実際に起こってしまった時の対応も用意しておきます。たとえ借金を背負ったとしても死ぬことはないし、人生が終わることもない。それならやるしかないよね、と。

自分の体さえ元気であれば、自分の手技で日本全国はもちろん海外でだって、どこでも食べていけると思っています。

とはいえ、開業1年目は経営者として、やることも覚えることもたくさんでしたが、そこは試行錯誤しながらこなしていく感じでした。

    

Q:2020年8月に2店舗目として「ボディケアYAT's」をオープンされています。こちらのお店をオープンしたきっかけ契機や特徴を教えてください。

    

―― 「ボディケアYAT's」は、整骨院でフォローアップできないことをやろうという考えのもと、オープンしました。「体が痛みに変わる前に、気軽に利用してほしい」という思いがあります。アロマオイルマッサージや岩盤浴もあるので、リラクゼーション要素も多いです。通常営業とは別に、午前中はママタイムを設けており、「子供連れOK!いくら泣いてもOK!」という時間を作っています。

    

スポーツ現場で求められる判断力や瞬発力

    

Q:これまでのエピソードで「楽しい」「やっていて良かったな」と思う瞬間はどんな時ですか?

    

―― やはり「ありがとう」と言われている瞬間はうれしいですね。医療系独特でもありますが、目の前でお金をいただいて、目の前で「ありがとう」と言われる仕事は少ないと思います。毎回お土産を持ってきてくださるお客様もいらっしゃいます。そうすると、こちらも「ありがとう」とお伝えできます。人と人がつながるっていいですよね。

   

Q:トレーナーという仕事の魅力はなんでしょうか?

    

―― 魅力は、スポーツ現場で活躍できることです。仕事として現場に立てるのは非常に面白いです。ケガの処置やテーピングなど、目の前のことに対して即座に対応し、かつ適切な処置をしなければならない。スポーツ現場に出ると、判断力や瞬発力が鍛えられますし、とてもやりがいを感じます。

    

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Q:トレーナーとして持っている信念を教えてください。

    

――「現場に出続ける」と「初心を忘れない」ことです。最初にお話ししたように、やはりトレーナーとしては、“治療とリハビリ”の両方を患者さんやアスリートに伝えていきたい。そのためにも患者さんと対面で治療にあたり、現場に出続けることが大切だと考えます。しっかり自分から信念を伝えて提供することで、他のスタッフにも伝わる。そうやってスタッフが成長していき、会社の成長にもつながるといいなと思います。

あとは単純にトレーナーの仕事が大好きです(笑)院や現場で施術できなくなると自分が面白くないですね。

     

Q:「現場は面白い」とのことですが、会社としてもスポーツ現場に行かれることはありますか?

     

―― 2021年に東京で行われた国際的なスポーツの大会で、日本バスケットボール協会サポートトレーナーとして現場に行きました。会社では実業団のテニスと契約しているので、現場へ出ることもあります。

でも、スポーツ現場は面白いからとそればっかりではダメだと思うのです。なので、しっかり拠点を作って、その上で外のスポーツ現場にもいく。気持ちよく周りから送り出されて、好きなトレーナーの現場に行ける環境が理想ですね。

   

整骨院の出口は治療ではなく“運動”だ

    

Q:会社として、将来はどのような構想をお持ちですか?

    

店舗は増やしていきつつ、ゆくゆくは総合のスポーツジムを作りたいと考えています。歩くためには体を動かさなければならない。運動は健康な体作りの基本です。

人生100年時代。70歳まで現役で働く時代が待っています。健康寿命を伸ばすためにも、運動ができる環境を整えて、運動の楽しさを伝えたいですね。

だから、僕は整骨院の出口が治療ではなく、出口は “運動” だと考えています。

    

Q:現在、従業員15名とのことですが、会社としてはどう成長していきたいですか?

    

現在、もともと働いていた整形外科やテニスの実業団などと提携しています。将来的には、ここでは柔道整復師について学べ、ここでは鍼灸について学べ、時には整形外科に派遣したり、トレーナーとして派遣したり。株式会社SAMONAという1つの組織の中で、キャリアアップを目指せる環境を作りたいです。

せっかく縁があって入社したのに、ある程度力がついたら今度は他のところで別のキャリアを目指すというのはもったいないと思うのです。だから、グループ内で成長できる仕組みを整えたいですね。

    

Q:最後に、これからトレーナーを目指す学生や開業を目指す方に向けて、メッセージをお願いします。

    

――  学生時代は、頭でっかちになるくらい勉強した方がいいと思います。資格を取るまでの勉強が肝です。

僕は民間資格も入れると、両手では数えきれないくらいの資格を持っていますが、独立や開業という夢があったので、国家資格の「鍼灸マッサージ師」「柔道整復師」、「アスレティックトレーナー」の3つは必ず取得しようと思っていました。現に今、その資格が活かせています。

あとは、自分がなぜ勉強をしているのかを考えて、その理由を実現している人と接する機会を作ってください。見学でもいいので、自分が見えていないビジョンを実現している人を見つけられると、将来の目標や夢が定まってくると思います。

そうすると、勉強への意欲も変わりますし、卒業後のイメージがつきやすくなるのではないでしょうか。僕でいうと、大学時代の陸上競技でサポートしていた「師匠」と呼べるトレーナーの先生のように。そうした存在はきっと皆様の目標をアシストしてくれると思います。ぜひ頑張ってください!

    

   

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<卒業生プロフィール>

鮫島洋一(さめしま よういち)さん/株式会社SAMONA 代表取締役

1983年東京生まれ。小中高校、大学時代は陸上の短距離走者として全国大会で活躍。大学卒業後は、鍼灸マッサージ師の資格を取得し、2011年に日本健康医療専門学校 柔道整復学科に入学。医療現場で働きながら学び、国家試験に合格。卒業後は、整骨院グループの院長として、経営と組織運営を実地で学ぶ。2018年4月、学生時代の同級生と共に「サモーナスポーツ整骨院」を江東区大島に開業。2020年には、同エリアにリラクゼーション施設「ボディケアYAT's」を開業。プロアスリートからスポーツ愛好家、そして一般のケガや不調に悩む患者さんを対象に、2つの施設で、治療、リハビリ、トレーニングによるケガや病気の予防、疲労回復というニーズに応えている。

サモーナスポーツ整骨院の公式ホームページ

    

【国家資格】

鍼・灸・あん摩マッサージ指圧師

柔道整復師

【民間資格】

日本スポーツ協会アスレティックトレーナー

FMS level1.2

SFMA level1.2

TRX サスペンショントレーニング

TRX スポーツ医学サスペンショントレーニング

RKCトレーナー

BFRトレーナー

ファシアスリックテクニック

ドライニードルテクニック

ハイボルト上級マスター

日本骨盤矯正技術協会 骨盤矯正整体師・産後骨盤矯正整体師

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