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卒業生インタビュー

5つの資格を保有する凄腕トレーナー!オリンピックや駅伝選手の指導経験も【卒業生インタビューvol.3】

日本の代表トレーナーの元で経験を積む

【Q】2007年にニッケンを卒業されてからの経歴を教えてください。

―― 卒業してからは、R-body projectという会社に就職しました。実は、僕がニッケンに入学したのは、大学を卒業してからです。当時、整骨院で働きながら学校に通っている傍ら、飲食系のアルバイトもしていました。

そのアルバイト先に、モーグルで活躍された元オリンピック選手のお兄さんがいて。

「妹がプロのトレーナーにトレーニングを受けているから、もし将来スポーツ選手に関わる仕事がしたいのであれば見学でも行ったら?」と言われて。そこが、R-body projectでした。


【Q】トレーナーになろうと思ったきっかけを教えてください。

―― 僕は、高校・大学と陸上競技をやっていました。長距離でしたが、やはりスポーツにはケガがつきもので。その時からスポーツ系のお仕事に就きたいな、スポーツ選手のケアをしたいなと思っていました。

大学2年生の時に、学校にトレーナーさんが来て、それが陸上部の時の卒業生でした。部員の人たちをマッサージをしてくれたのですが、この時に「こんな職業があるんだな」と知りました。聞いてみたら、整骨院の学校に行ったとのことで。それがきっかけで漠然と「整骨院で働いた方がいいのかな」と思い、アルバイトをはじめました。結果、大学の2年間とニッケンの3年間の計5年間、整骨院で働いていましたね。

【Q】卒業後に就職されたR-body projectでは、どんな仕事をされていたのですか?

―― R-body projectは、日本の代表トレーナーとも言える鈴木岳氏が代表です。全日本スキー連盟フリースタイル(モーグル)チームの専属トレーナーとして、数々の有名選手を支えてきた方です。アイスホッケーとかJリーグとか有名なトレーナーを集めた会社ですが、当時はそういった会社は少なかったですね。僕が入社した時は、規模的にも20名くらいでした。今では、会社も成長して従業員の方ももっと増えています。 R-body projectでは、見学に行った時もそうでしたが、本当にあらゆる有名なスポーツ選手や著名人がトレーニングしていて、たくさん経験を積めました。

【Q】R-body projectでの印象深い経験はなんですか?

―― そうですね。東京マラソンの伴走トレーナーを担当したことかな。2012年日本テレビの「スッキリ」という番組の企画で、コメンテーターの女医先生を2、3カ月でフルマラソンを完走させてほしいというものでした。しかも、初マラソンで。

指導内容としては、イチから完走させるためのトレーニングはもちろん、栄養面のケアも行いました。東京マラソン当日も一緒に走ったので、給水のタイミングとかもケアしながら。すごい達成感でしたね。

2013年に独立。あらゆる分野のトレーナーとしての顔を持つ

【Q】2013年に起業されていますが、どのような経緯で起業しようと思ったのでしょうか。

―― 学生の頃、整骨院で働いている時から、「いつかは独立したい」と思っていました。そのためには自分に何が必要なのかを考えて、もし独立するとしたら選手の体のケアや、現場でのトレーニングもできた方がいいし、とかいろいろと考えて。タイミング的には、先にお話ししたテレビ番組の企画が2012年で、2013年に独立しているので、その経験も影響していますね。

【Q】現在、トレーナーの中でも主にどういった内容を専門とされているのでしょうか。いま携わっている治療やトレーニングなどについても教えてください。

―― 今は、学生スポーツのトレーナーや専門学校の講師、パーソナルトレーナーとしてのお仕事を主に行っています。


高校サッカーのチームでは、筋力トレーニングや、試合の時のアスレチックトレーナーとしての指導、ケガをした時の応急処理、試合前のコンディショニングなど。気になるところがあればテーピングもしますし、監督が求めるのであれば、ストレッチや運動前のウォーミングなども行います。現場だと求められる分野は幅広いですね。

パーソナルトレーナーとしての仕事では、お客様のご自宅に伺ってケアすることもあったり、友人の治療院のベッドを借りて施術したりもします。ケアは、ランニングなのか治療なのかトレーニングなのか、お客様によって変わります。

あとは、ランナーへのトレーニングも行っています。皇居を一緒に走ったり、走れる体作りを行ったり。アスリートなら、体のケアが中心になりますね。今は、新型コロナウイルスの影響もあるので、企業からお仕事を受けて、朝の始業前に30分ストレッチを行うなどオンライントレーニングも行っています。

【Q】専門学校の講師ではどんなことを教えてらっしゃるのですか?

―― 専門学校の講師は、5~6年ほどやらせていただいています。スポーツ科学の分野で、解剖学や運動学、栄養学、スポーツ心理学など幅広く教えています。

教えることは大変ですが、それよりも学ぶことや得るものも多いので、ためになりますね。今までのトレーナーとしての経験もあるので、専門学生時代にテキストに書いてあることの意味が分からなかったことも、今では分かります(笑)

【Q】オリンピック選手や箱根駅伝の選手などの指導も行っていると伺いました。プロのアスリートの方に指導する時は、どんな心構えで行うのでしょうか。

―― トップ選手は、トレーニングの目的がはっきりとしていて、その目的に合わせてケアをするので、やりやすいです。あとは、自分のトレーナーとしての温度感と、選手の温度感が合うと指導しやすいですね。

入社して2~3年目の頃は自信がなかったんですが、会社でトップアスリートの担当になったら、しっかりケアを行わなければなりません。そんな中、会社の取り組みで、プロのコーチングの先生からトレーナーを育成する授業を受けることができました。

その時、先生に「あなたは担当になった選手のトレーニングや体のことについてどれくらい考えているの?」と聞かれて、「ほぼ毎日です」と答えました。そうしたら先生が「普通の人はそこまで考えていない。だから、あなたは体のことをよく考えているという点に自信を持ちなさい」と言ってくれて。それから、心構えが変わりましたね。

「人助けだよ」体を動かすことの重要性

【Q】トレーナーとしてのやりがいは、どんな時に感じますか?

―― 最近、あるご自宅にパーソナルトレーナーとして訪問した時に、「あなたは人助けをしているんだよ」と言われました。そのお客様とはかれこれ4~5年ほどのお付き合いなのですが、毎週1回・1時間のセッションをすごく大切にしてくれています。

ケアをしている側は、どんどんルーチン化してしまいがちなのですが......、そのお客様にとっては、週に1時間しか体を動かさないので、その時間がものすごい大事なのです。ハッとさせられましたね。

僕は昔から運動をやっていて、毎日体を動かすのが当たり前ですが、パーソナルトレーナーを受ける人は、正反対な人が多いです。学生時代も運動をしていない人か、毎日ハードに運動をしてる人のどっちかで。

前者は、何十年かたって、体が動かなくなったら怖いから、定期的なトレーニングをすごく大切にしている。ある意味、僕以上に運動の大切さを知っているのだと思います。だから高いお金を払ってでも、パーソナルトレーニングを受けるのです。もし僕がそこに行かなかったら、その人は運動しないわけですよ。

極端にいえば、老後寝たきりになったり、病気になったりもあり得る。その人の生活や人生にすごく関わっているなと思いました。改めて、トレーナーとしての存在について考えさせられましたし、すごくやりがいを感じましたね。

【Q】パーソナルトレーナーを受ける方は、本当にその時間を大切にされているのですね。

―― パーソナルトレーナーのクライアントには、スポーツ選手だけでなく、医師や看護士など医療関係者が多くいらっしゃいます。そのような専門家の方々にも信頼していただいていることに、私はトレーナーとして誇りを持っています。

また、特にパーソナルトレーナーの仕事となると、家族ぐるみの付き合いなども多くなります。皆さま、トレーニングを生活の一部として考えてくださっていて、週1回のセッションを楽しみにされています。

幼稚園生のトレーニングを担当した時、「実は何時間も前から先生が来るのを楽しみにしていたんですよ(笑)」と、あとから親御さんに言われました。本当に嬉しかったですね。たとえ忙しい日々が続いたとしても、また明日も頑張ろうと思う瞬間です。

長年トレーナーの仕事をしていると、「自分の存在の意味」や「相手のために何ができるのか」など、時に悩んでしまうこともあります。

そんな時、私はこう思うのです。

私ができることは、クライアントが目的の場所を目指す最初の一歩を踏み出すために、「そっと背中をおしてあげること」だけだと。

自分を必要としてくださる方がいるということは、とても幸せなことです。そして、仕事のやりがいをすごく感じますね。

【Q】奥山さんがトレーナーとして大切にしていることや信念を教えてください。

―― 僕が仕事で大切にしていることは、「人に必要とされているか」と「相手と尊重し合えているか」の2つです。先にお話しした、「人助け」と言われたこともそこに精通しています。

このような考えに至ったのにも背景があって。就職して2、3年目の時、ある大手会社の結構えらい方のパーソナルトレーナーをしていて、当時仕事で悩んでいたことがあったのでその方に聞いてみたことがあるのです。

「仕事をやっている時にやりがいを感じることは?」と。そうしたら「人に必要とされている時」と答えて、「チームで必要とされなくなったら、やめる」と仰っていました。すごく衝撃的で。

トレーナーは、まさに人に必要とされる職業だと思います。

あと大切にしているのは、自分の得意な分野を確立して、自信を持つこと。ランナーは、走るのはプロだけど応急処置のプロではない。僕はトレーナーとしてはプロです。体のケアやトレーニングをする時は、自信を持って指導にあたっています。

資格を持っていることで、広がる活躍の幅

【Q】たくさんの資格を持ってらっしゃいますよね。

―― 今は、以下の資格を保有しています。

・厚生労働省認定 柔道整復師

・全米公認 ストレングス&コンディショ二ングスペシャリスト(NSCA-CSCS)

・RUNART足の治療院テクニカルアドバイザー

・JAFT認定パーソナルランニングコーチ

・SMART Tools認定IASTMセラピスト

実は、すべて計画的に取得したわけではありません。目指した方向性の中にこれらの資格があったので、取得したのです。

柔道整復師も、働いていた整骨院の院長先生に教えてもらったからで、NSCA-CSCSも、R-body projectに入社したら「取ったほうがいいよ」と言うことで取得しました。

【Q】やはり、資格はあるに越したことはないですか?

―― 資格はキャリアを上げていくうえで、大事だと思います。特に、柔道整復師の資格は、国家資格なので。「骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷」これら5つの項目を治療できるのは、柔道整復師だけです。スポーツトレーナーの資格だけではケガの手当てや応急処置はできません。

会社で働いていた時、R-body projectはアスレチックトレーナーの集団だったので、柔道整復師の資格を持っているのは僕だけでした。つまり、当時治療ができるのは僕だけ。みんなにすごく羨ましがられましたね。

【Q】柔道整復師とトレーナーの資格を両方持っていると活躍の幅は広がりますか?

―― まさにそう思います。スポーツトレーナーになって、治療も行いたいとなると柔道整復師の資格が必要になるので。鍼灸師の資格もあるとさらに活躍の幅が広がりますね。

逆に、柔道整復師の資格だけ持っていて、トレーナーの資格を持っていない場合は、知識的には少ないので、アスレチックトレーナーの資格をとるといいと思います。

実際、僕は独立してから、全国を回って講演活動する機会があったのですが、経歴を見たからと言われましたし、専門学校で講師の仕事をやらせていただいているのも、NSCA-CSCSを持っていたからということで、依頼がありました。

あとは、人とのつながりもすごく大切です。僕が、オリンピック選手や箱根駅伝の選手のトレーナーを行えたのも、高校の時の陸上部の同級生つながりなので。ニッケンで教わっていた先生から仕事を受けることもありますよ。

専門学校に通ったり、セミナーに行ったりすると仕事につながると思います。志が同じ人が集まるので、そういった仕事にめぐり合う確率や、やりたいことや夢に近づく確率が上がります。

【Q】専門学校のお話がありましたが、ニッケンではどんな学生時代を過ごしていましたか? 夢はありましたか?

―― ニッケンでは授業を受けたら、すぐバイトに行く生活をしていたので、学生生活を満喫したかというと......。ひたすら夢に向かって、整骨院でアルバイトをして、土日は飲食のアルバイトをする日々でしたね。

夢は、「スポーツ選手に関わりたい」でした。もう今行っていることが夢ですね。あとは、独立したいとか、できることなら、オリンピック選手や箱根駅伝の選手のトレーナーとして活動したいという夢もありました。もうこれも叶っていますね(笑)

【Q】国家試験の勉強をやる時間はありましたか?

―― 電車に乗っている時間を利用して勉強していました。同じ問題集を繰り返し何度も行う方法です。同じ問題集を100点取るまで繰り返しました。

この方法で、無事合格できましたよ!

【Q】日本健康医療専門学校を知ったきっかけ、選んだ理由を教えてください。

―― 当時アルバイトしていた、整骨院の院長先生に教えてもらったのがきっかけです。入学を決めた理由は、自分の生活スタイルに合っていたことです。アルバイト先と自宅の距離的に通いやすいかどうかや、授業の時間などを考慮した結果、ニッケン一択でした。

トレーナー育成も視野に入れて。必要とされる自分に

【Q】奥山さんの夢や、今後の展望を教えてください。

―― 今は、新型コロナウイルスの影響もあり対面のケアがなかなか難しいですが、プロのアスリートに携わったり、トレーナーの育成もしたりしたいですね。ゆくゆくは、自分の会社で雇用を生んで、仕事がきたら従業員に仕事をふっていくような。トレーナーをしたいという学生さんがいればぜひ教えていきたいです。

【Q】最後に、これからトレーナーを目指す高校生に向けて、メッセージをお願いします

―― 「スポーツに携わりたい」「スポーツ選手をトレーニングしたい」そんな思いで僕はトレーナーになりました。やりたいことを仕事にして「人助けになる」と言われるなんて、なかなかないことです。

好きなことを仕事にできるのが、トレーナーという職業です。自分の頑張り次第で、活躍の幅が多岐に用意されています。

資格を取得することも大事です。ニッケンには、僕みたいに大学に行ってから専門学校に入る人、一度就職してから入学する人もいます。スポーツトレーナーになる近道は、柔道整復師とスポーツトレーナーの資格を両方取得すること。さらに活躍の幅を広げたければ、鍼灸師の資格をとるのもいいと思います。

トレーナーにも、選手のケガの対応や健康管理を行う「アスレチックトレーナー」、選手の体力向上や身体的機能を高める「ストレングストレーナー」、試合や練習前後に選手のコンディションを整える「コンディショニングトレーナー」、マンツーマンでトレーニング指導や健康管理を行う「パーソナルトレーナー」など、いろいろあります。

ぜひ自分が何をやりたいか、どんなトレーナーになりたいか考えて、多くのことを学んでみてください!

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<卒業生プロフィール>

奥山智也さん

2007年 日本健康医療専門学校の柔道整復学科を卒業

2007年~2013年 R-body project勤務

2013年 Last spurtを起業

痛みの対処から競技復帰、パフォーマンスアップまでを専門とするアスレティックトレーナー。 国家資格の医療従事者である柔道整復師でもあり、 トライアスロンチームや学生スポーツチームのトレーナー・フィジカルコーチも担当。 医療従事者の視座を持つ運動療法のプロフェッショナルであり、 ランニング指導を専門とする唯一無二の存在として幅広い分野で活動している。