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スポーツマッサージをするための資格とは?必要な知識・技術を解説

スポーツ選手を支えるためには、スポーツに関する知識のほか、ケアにかかわる専門知識が求められます。また、肉体的なケアを考えるうえで、スポーツマッサージの技術も取得しておいたほうがよいでしょう。

スポーツマッサージは疲労回復やパフォーマンス向上につながる専門技術で、スポーツ選手の活躍に影響するものです。しかし、将来スポーツマッサージの技術を得たいと考えたとき、どのような勉強をすればよいのか、必要な資格があるのかなど、気になる点も多いのではないでしょうか。今回はスポーツ選手を裏で支えるスポーツマッサージの技術を会得したい人に向けて、勉強すること、取得すべき資格、プロとして活躍するために理解しておくべきポイントをお伝えします。

スポーツマッサージとは?

スポーツマッサージとは、プロ・アマチュアを問わず、スポーツ選手を対象としたマッサージを指し、コンディショニング維持、疲労回復、運動機能向上を目的として行います。ただし目的はそれだけでなく、けがや故障時のケアや、リハビリテーションのサポートとして行うケースも少なくありません。

通常のマッサージとの違いは?

スポーツマッサージと通常のマッサージの相違点はいくつかありますが、大きな違いは、マッサージを行う対象と目的です。一般的なマッサージは、対象を問わず、リラックスのためやコリをほぐすために行います。一方、スポーツマッサージは、主にスポーツ選手を対象に、コンディショニング維持やパフォーマンスの向上などを主な目的として実施します。

スポーツマッサージでも、リラックスを促す目的で行うこともありますが、スポーツ選手を対象とする場合は、マッサージを提供する側にスポーツに関する理解や知識、経験が求められます。

スポーツマッサージをするうえで必要な知識や技術

スポーツマッサージ師という資格はありませんが、マッサージを仕事にするには「あん摩マッサージ指圧師」の資格を取得する必要があります。また、スポーツ選手を対象にするなら、スポーツに関する知識が必要です。スポーツ選手をケアするための技術も求められるでしょう。ここでは、覚えておくべき主な知識や技術についてお伝えします。

スポーツマッサージに必要な知識

スポーツマッサージを行ううえで学んでおきたい代表的な知識は以下の2点です。

  • スポーツ選手の身体に関する知識
    専門とするスポーツの種類により、選手の体つきや筋肉の付き方は異なるため、ケアをする部位も異なります。スポーツそのものへの理解も重要ですが、併せてスポーツ選手特有の体の使い方や、起こりやすい不調などといった基本知識を身につけておくことが大切です。
  • けがの予防や応急手当に関する知識
    スポーツマッサージを行うような立場ともなれば、けがをした選手のケアや治療が求められる可能性があります。そのため、けがの予防や応急手当に関する知識も求められます。また、けがからの回復を目指す選手に対して、リハビリテーションのサポートをするための専門的な知識も必要です。

スポーツマッサージに必要な技術

続いて、技術面で求められるポイントを見てみましょう。

  • さまざまなスポーツ特有のけがや症状を治療する技術
    スポーツマッサージを提供するからには、スポーツ特有のけがや症状を改善するための手技やマッサージ技術などは必須です。例えば、野球選手であれば「野球肘」や「野球肩」、陸上選手であれば「ジャンパー膝」や「ランナー膝」などを治療する技術です。選手活動を維持するサポートを行うには、それぞれの状態に対応できなければなりません。
  • 体のコリを取り除くための技術
    スポーツマッサージでは、筋肉の表層部をほぐして気持ち良さを重視するといった一般的な施術よりも、筋肉の深層部に働きかけてコリを取り除き、パフォーマンスを高める施術が重視されます。筋肉をはじめとする肉体構造を理解し、より効果のあるマッサージ技術が求められます。

スポーツマッサージをするうえで取得しておくと役に立つ資格

あん摩マッサージ指圧師の資格が必要であることをお伝えしましたが、それだけではスポーツマッサージを提供するのは難しいかもしれません。スポーツに関する知識を増やすほか、働き方が広がる医療系の資格を持っていると仕事に有利です。ここでは、取得しておくと役立つ資格について紹介します。

柔道整復師

日本の法律には、人の体に触れて医療類似行為を行うには、医療系の国家資格が必要であるという定めがあります。そのため、スポーツ選手に起こりがちな骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷といったけがを治療するためには、医療系国家資格が必要です。なかでも、スポーツ選手のケアをする際におすすめしたいのが、柔道整復師の資格です。さまざまな手技を用いてスポーツ選手の治療ができるようになり、治療家として活躍が期待できます。

スポーツのけがを治療できる資格を持ち、緊急な場合でもその場で対応できれば、採用においても有利に働くでしょう。柔道整復師の資格があれば、できる治療の範囲が増えるだけではなく、よりスポーツ選手に寄り添ったかたちで貢献できるはずです。

柔道整復師の資格は、厚生労働省が毎年3月に実施する国家試験に合格したら取得できます。受験資格を得るには、大学入学資格(高卒・もしくは高等学校卒業程度認定試験合格)があり、柔道整復師養成施設で3年以上の専門知識を学ぶ必要があります。

柔道整復師についての詳細は、「「柔道整復師」とはどんな国家資格?取得するメリットや学校選びのポイントは?」をご覧ください。

鍼灸師

スポーツ選手の疲労は一般の人に比べて激しいケースが多く、通常のマッサージだけでは、疲労回復が困難な場合があります。そうした際に、より細やかなケアができるようになるのが鍼灸師の資格です。マッサージだけはとれない疲労を、はり(鍼)やきゅう(灸)を使って緩和し、パフォーマンス向上につなげます。

鍼灸師は、柔道整復師と同様に国家資格です。鍼灸師とまとめていますが、実際には、はりときゅうはそれぞれ別の資格(はり師、きゅう師)で、片方のみの取得も可能です。資格取得への道のりは柔道整復師と同様で、大学入学資格を得て、鍼灸師養成施設で3年以上の専門知識を学ぶ必要があります。

鍼灸師についての詳細は、「鍼灸師になるための資格は必要?その道のりや国家試験について」をご覧ください。

スポーツトレーナーの資格

スポーツ選手のサポートに関する知識を得るなら、スポーツトレーナーの資格もおすすめです。けがをした選手のケアやけがから復帰する際のサポート、競技前後のけが予防などに対応する知識や技術を学べます。

スポーツトレーナーの資格としては、公益財団法人日本スポーツ協会(JSPO)が認定するメディカル・コンディショニングの資格、「日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー」があります。ほかには、特定非営利活動法人ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会(JATAC)が認定する資格、「 認定アスレティックトレーナー」や、特定非営利活動法人NSCAジャパン(日本ストレングス&コンディショニング協会)が認定する資格、「NSCA-CPT(NSCA認定パーソナルトレーナー)」などがあります。

スポーツトレーナーの資格は基本的に民間資格であり、法的に治療としてのマッサージを提供することはできません。マッサージのような手技を取り入れたい場合は、あん摩マッサージ指圧師や、柔道整復師などの医療系国家資格も同時に取得しておきましょう。

スポーツトレーナーになる方法については、「スポーツトレーナーになりたい!スポーツトレーナーの活躍の場や収入、求められる人材などを解説します」をご覧ください。

国家資格の取得でスポーツマッサージの幅を広げよう

コンディショニング維持、疲労回復、運動機能向上など、スポーツ選手がケア目的に取り入れるスポーツマッサージ。選手のベストパフォーマンスに貢献できる技術ですが、人の体に触れる以上、責任も重くなります。

スポーツマッサージを行ううえでは、スポーツ自体の知識、スポーツ選手の身体の理解などに加え、スポーツ選手特有のけがや症状の緩和、コリのほぐしといった技術の習得も欠かせません。そのためには、あん摩マッサージ指圧師だけではなく、柔道整復師や鍼灸師の国家資格を取得しておくのがおすすめです。さらにスポーツトレーナーの資格もあれば、活躍の幅は広がります。

日本健康医療専門学校は、柔道整復師、鍼灸師、スポーツトレーナーを目指せる医療系専門学校です。スポーツマッサージの技術向上を目指す際には、国家資格の取得がおすすめです。

学科・コースの詳細についての詳細は以下をご覧ください。

柔道整復学科

鍼灸学科

スポーツトレーナー養成コース