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医療系の資格にはどういったものがあるの? 資格の種類や難易度を紹介

将来は医療系の仕事に就きたいと思っていても、具体的にはどういった職種を目指すのかまでは決めかねている人は多いのではないでしょうか。ひと口に医療系といってもその種類は多様で、資格の種類や難易度も大きく異なります。医療系の仕事には、どういった職種があり、どんな資格が必要なのか、独学でも資格取得は可能なのかなどをお伝えします。

医療系の仕事にはどういったものがあるのか

医療系の仕事は、医者、看護師のように病院や医療施設で働く職種から、薬局、学校、介護福祉施設、スポーツジムなどで働く職種まで多岐にわたります。そのなかでもおもな職種は次のとおりです

医療系の職種

医師、歯科医師、看護師、助産師などが代表的です。医師は外科、内科、産婦人科、脳外科などの分野別に患者を診療する臨床医と、大学の医学部で医療の研究を行う研究医に分けられます。研究医は、治療法が確立されていない病気の原因解明や治療法の研究を行い、未来の医学を支える役割を果たします。また、実際に患者を診ながら研究も行う臨床研究医といった職種もあり、医師の種類は多様です。

歯科医師も医師の種類のひとつですが、医師と歯科医師の国家試験はまったく別のもので、医師の資格を取得しても歯科医師になることはできません。また、逆も同様です。歯科医師になるには歯学部歯学科で学び、歯科医師国家試験に合格しなくてはなりません。一方、歯科医師以外の医者になるには医学部医学科で学び、医師国家試験に合格する必要があります。

看護師と助産師の関係は、看護師が看護師資格だけで仕事ができるのに対し、助産師は、看護師の資格に加え、助産師免許という資格を取得しなければなりません。また、産婦人科医は性別に関係なくなれますが、助産師になれるのは女性だけです。

医師、歯科医師は独立開業が可能です。助産師も開業可能ですが、医療行為は禁止されています。例えば帝王切開のような場合は、産婦人科医に依頼しなければなりません。そのため、助産所として開業する場合は、分娩は取り扱わず、授乳支援や乳房ケアといった保健指導が中心に行われることが多いようです。

リハビリ系の職種

理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士、柔道整復師、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師などが代表的です。これらの職種はすべて国家資格が必要で、国家試験に合格しなければ仕事はできません。民間資格が存在するリハビリ系の職種としては、介護リハビリセラピスト、リハビリケア専門士、ケアレクインストラクターなどが挙げられます。

高齢化が進む日本において、近年、リハビリ系の職種は急速に需要が高まっています。株式会社富士経済が2018年7月に発表したマーケット情報の報告によると、高齢者/介護関連製品・サービス市場の2025年の市場規模は9,254億円と予測されています。2017年の市場規模が約6,000億円ですから、8年で約50%増と見込まれるのです。この結果からも、リハビリ系の職種は今後、さらに需要が高まっていくといえるでしょう。

参考: https://www.fuji-keizai.co.jp/market/detail.html?cid=18064&view_type=2

医療技術系の職種

医療技術系とは、医療機器を用いて行う臨床検査技術の研究開発を中心として、人の健康を追究していく業務です。具体的な職種としては、臨床工学技士、義肢装具士、診療放射線技士、臨床検査技師、歯科技工士などがあります。

日本の医療機器は、2017年に約3兆円と過去最大の市場規模(厚生労働省「薬事工業生産動態統計」)になりました。これだけで医療技術系の職種の需要が高まっているとはいいきれません。しかし、今後の高度医療において医療器具の進歩は欠かせないものであり、その市場規模が高まっていることは、医療技術系の職種においても、重要な意味があるといえるでしょう、

その他の医療系の職種

救急救命士、薬剤師、調剤事務、看護助手、准看護師、歯科衛生士、保健師、動物看護士、臨床心理士、細胞検査士、医療環境管理士、応急手当指導員、医療事務、介護職コンサルタント、医療福祉環境アドバイザー、医療経営士など、医療系にはほかにもさまざまな職種があります。

医療系の仕事に就くために必要な資格の種類、難易度は?

国家資格、公的資格、民間資格の違いとそれぞれの資格を必要とする職種

医療系の仕事には資格が必要とされるものが多く、資格は国家資格、公的資格、民間資格の大きく3つに分かれます。それぞれの違いは次のとおりです。

  • 国家資格とは?

国が認定する資格で、試験を受けられる資格も法律によって定められています。国家資格があれば、さまざまな現場で医療行為やそれに準ずるサポートができるため、活躍できる場所が広がります。もっとも人気が高い資格でもあります。

国家資格が必要な医療系のおもな仕事:医師、歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士、看護師、保健師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、鍼灸師、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、薬剤師など

  • 公的資格とは?

資格試験は民間団体や公益法人によって実施されるものの、官庁や大臣が認定をしているため、国家資格に準ずると認識されることが多く、社会的信用の高い資格と言えます。

公的資格が必要な医療系のおもな仕事:准看護師、応急手当指導員、ケアマネージャー、福祉住環境コーディネーターなど

  • 民間資格とは?

民間の団体や企業によって認定される、国や官庁がかかわっていない資格です。

民間資格が必要な医療系のおもな仕事:動物看護士、臨床心理士、細胞検査士、メディカルケアワーカー、医療環境管理士など

医療系資格取得の難易度は?

医療系資格取得の試験でもっとも難易度が高いのは医師です。そして、歯科医師、薬剤師と続きます。職種にもよりますが、国家資格だから難易度が高いわけではありません。看護師や助産師、保健師などは比較的取得しやすい資格です。

逆に、公的資格である福祉住環境コーディネーター(1級)や民間資格の細胞検査士などは、すべての資格のなかでも難易度が高い資格です。

医療系資格の多くは受験の要件として、大学や専門学校などで所定の過程を修了させなければなりません。そのため、独学で資格取得が可能なのは、そうした要件がないものに限られます。具体的には、医療事務や福祉住環境コーディネーターなどは、前述したような要件を必要としないため、独学での資格取得も可能です。

医療系の仕事の将来性は?

厚生労働省公表の労働経済動向調査(2020年8月)によると、医療、福祉は建設業、運輸業・郵便業と並び人手不足が顕著な産業です。また、高齢化が進む日本では今後、医療現場以外に介護福祉現場でも、いま以上に医療系資格所有者の需要が高まることが想像されます。そうした意味で、医療系の職業は将来性がある仕事だといえるでしょう。

また、医療系のなかでも人気があるのは、独立開業が可能な職種です。医師や歯科医師のほか、鍼灸師や柔道整復師などリハビリテーションにかかわる業務が該当します。リハビリテーションにかかわる仕事は、医療現場以外に、教育機関やスポーツの現場などでも活躍できるため、将来性が高い仕事です。

鍼灸師の詳細を知りたい方は、「鍼灸師になるための資格は必要?その道のりや国家試験について」を、柔道整復師に関しては「「柔道整復師」とはどんな国家資格?取得するメリットや学校選びのポイントは?」をご覧ください。

医療系の仕事内容をしっかり理解したうえで、資格取得を目指そう

医療系の仕事は職種にもよりますが、夜勤や休日出勤など労働時間が不規則であり、人の命にかかわる仕事であることから、心身への負担はけっして少なくありません。しかし、それだけやりがいも大きく、得られる満足感や達成感も大きい職種といえるでしょう。

医療系の職種には多くの種類があります。そのなかからもっとも自分に適した仕事に就くためには、各職種の内容を理解したうえで、将来なりたい職業を明確にして、必要な資格の取得を目指しましょう。