美容
皆さま、こんにちは!日中美容研究家の濱田文恵です。
すっかり季節は、秋となりましたが、今年の夏は本当に暑かったですね。
個人的には、人生で初めて「早く夏が終わって欲しい......」と思ってしまったほどです。
さて、そんな猛暑のような夏でしたが、皆さまの肌状態はいかがでしたでしょうか?
よく秋になると、肌の乾燥を感じ始める方が多いです。
それも、そのはず。秋は湿度が低下するため、肌の潤いを保つ"NMF"という天然保湿因子の働きが低下するので、肌は乾燥しやすくなるのです。
しかし、今年はそれに加え、猛暑の夏だったため、夏の段階から肌が乾燥し切っている方も多いんですよ......。皆様の肌は、大丈夫ですか?
今回の東洋美容のヒントでは、猛暑明けの秋に合わせ、潤しい美肌を取り戻すための美養法をお伝えしたいと思います。
私たちの体には、"ホメオスタシス"と言って、どんなに体の外の環境が変わったとしても、体温や、血液量などの体内環境を一定に保つ働きがあります。
しかし、今年のように猛暑が続けば、体感温度だけでなく、実際には体内温度も上がってしまいます。
そこで、ホメオスタシスが、発汗を通して、体内温度を下げるように働いてくれるのです。この働き自体は、体を健やかに保つためには必要不可欠な働きなのですが、東洋的に見れば、過剰な発汗は、体の気血津液のうち、"津液"を損傷することに繋がります。
津液が過剰に損傷されると、肌の乾燥が起きます。また、発汗という活動をする際には、気血津液のうち"気"も同時に消費されてしまうのです。気も過剰に消費されてしまうと、肌のターンオーバーを乱してしまうので、肌の潤いを抱え、守ってくれる角質細胞が未熟となり、肌を健やかに育めなくなってしまいます。
本来で合えば、夏は皮脂の過剰分泌や毛穴などの肌トラブルに見舞われることが多いのですが、猛暑だった今年の夏は、例年以上に肌を乾燥状態に導いていました。
この状態で、湿度の低い秋を過ごせば、より肌トラブルは起こりやすくなり、気づけば肌の年齢サインも作りやすくなってしまうでしょう。
つまり今年の夏、肌の乾燥に悩まれた方や、秋になり例年以上に乾燥を感じるなという方は、夏から乾燥が始まっていたのかもしれません。ぜひ、今から紹介する潤しい美肌を取り戻すための美養法を取り入れて見てくださいね。
過剰な発汗は、津液と気を消耗するとお伝えしました。津液自体は、体内からは水分をこまめに摂り、体外からは化粧水をたっぷり肌に馴染ませ、潤いを補給してあげるといいでしょう。
気に関しては、秋には芋やかぼちゃ、栗など、薬膳でいう気を補ってくれる味覚がたくさんあります。ぜひ、毎日の食事に秋の味覚を摂り入れてみてください。気が充足した肌は、自ずと肌のターンオーバーも整い、健やかな角質細胞を作ることができますよ。
また鍼灸の世界では、気虚の方の気を補う目的で、足三里・合谷・気海の3つのツボが使われます。どのツボも自分でも触れる場所にあるので、お風呂上がりにボディクリームを塗りながら、いた気持ちいいくらいの圧で、マッサージをして刺激をしてあげるのもおすすめですよ。
東洋では、肺は呼吸をするためだけでなく、体の皮毛をコントロールしていると考えられています。つまり、肌を美しく育むなら、肺が健康的に活動していることが大切です。しかし、秋は「燥邪」という邪気(簡単にいう行き過ぎた乾燥のこと)が、肺を攻撃しやすく、「燥邪」に負けてしまうと、肌がカサカサしてきます。
そして、美肌を手に入れるために、さらに知っておきたいのが、肺と大腸の関係。東洋では、肺と大腸は深く関係していて、イメージで言えば、親子のようなもの。そのため、肺が元気なければ、大腸も元気がなく、大腸が元気ではあれば、肺もまた元気になりやすいという風に考えます。
秋に乾燥知らずの潤い肌を作るなら、肺と大腸を乾燥から守り、健康的に活動して貰うための養生がポイントになってくるのです。そこで、最後に、肺と大腸に同時に働きかける食材を使った美養レシピをご紹介しますね。
材料 [1杯分]
梨を一口大に切り、材料を全てミキサーに入れてスムージー状にしたら完成です。
梨は肺を潤す代表格ともいえる食材。そこに、梨と同じように潤いをもたらしてくれる豆乳とハチミツを入れています。ヨーグルトは皆さまもご存知かと思いますが、腸内環境を良くする働きがあり、この一杯で、肺も大腸も美味しく養生することができるわけです。ぜひ、朝ごはんや間食時のおやつなどに取り入れてみてくださいね。
いかがでしたか?猛暑を乗り越えた今年の秋は、例年以上に肌もお疲れのはず。ぜひ、美味しいスムージを召し上がりながら、今回ご紹介したツボを日々の養生に取り入れ、秋の潤しい美肌を取り戻してみてくださいね。それでは、次回またお会いしましょう!
■著者プロフィール
日中美容研究家 濱田文恵
「延美長寿」をテーマに毎日のセルフ美容に西洋と東洋を組み合わせた独自の美養法を提唱。今あるキレイもこれから続くキレイも手に入れる。予防を根底に美容寿命を伸ばすための記事執筆・監修、セミナー講演や勉強会等を主宰し、女性誌やメディアで幅広く活躍中。(一社)日本セルフ美容協会代表理事、医薬品登録販売者、毛髪診断士、国際中医薬膳師
国際中医薬膳師 / 医薬品登録販売者 /日本エステティック協会認定エステシャン / 日本毛髪科学協会認定毛髪診断士 著書「運命をこっそり変える(2017)」