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美容

【お天気別】肌トラブルと東洋的スキンケア養生

皆さま、こんにちは!日中美容研究家の濱田文恵です。

ここ最近、季節に関係なく、寒くなったかと思えば、上着もいらないほど暑い日に戻ったりと、落ち着かない天気が続いているような気がします。
東洋美容では、"人と自然界は一体である"と考えられているため、天気が不安定であれば、そこに暮らす私たちの心身もまた不安定になると考えられるわけです。

そこで、今回の東洋美容のヒントでは、天気によって起きやすくなる肌トラブルをご紹介し、それに合わせたスキンケア養生をお伝えしたいと思います。

【東洋美容の基礎】"人と自然界は一体"という考え

冒頭でお伝えしたように、東洋美容では、私たち人間は自然界と一体であると考えられています。普段あまり考えることはありませんが、私たちは自然界に暮らしているわけなので、その自然界に合わせて生きていくことは必然ですよね。

一番簡単なところで言えば、だから私たちは春夏になれば薄着になり、秋冬になれば厚着をして寒さから身を守っているわけですよね。これは私たちが自然界の変化を意識して行っている行動ですが、実際には無意識なところでも、私たちは自然界の変化に合わせ、心身がたくさんの活動をしているのですよ。

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例えば、東洋では1日の変化を四季に例えて考えることがあります。

"朝は春、日中は夏、日の入りは秋、夜中は冬。"

この1日の変化を四季に例え、人間の生命活動に照らし合わせると、

"明け方に人の気が現れ、日中に陽気が盛んになる。日が西に傾くと、陽気が減り、汗腺が閉じる。病気の多くは朝に調子が良く、昼は落ち着き、夕方からひどくなり、夜は激しくなる。"これは、夜中は陽気が臓へと入り、邪気だけが体表に残るからです。

このように、私たちは自然界と一体になって生きているわけです。そこで、私たち人間が、自然界の活動である天気を変えることはできないけれど、天気に合わせて服装を選ぶように、肌に対してもスキンケア方法を選べるようになると、肌トラブルに悩むことは少なくなるわけです。

肌トラブルの原因は、自然界にある"六邪(ろくじゃ)"

私たちが暮らす自然界には、風、寒、湿、暑、燥、熱(火)と言う六気が存在しています。本来はそれぞれ自然界を構成するのに大切な"気(エネルギー)"なのですが、急激な季節の変化や、天候不順などにより、この六気が六邪(ろくじゃ)という悪いエネルギーになってしまいます。この六邪によって、私たちの心身が乱れ、肌トラブルを招くのです。

さっそく、六邪のうち、ここ最近の不安定な天気に合わせて気をつけたい、風邪、燥邪、湿邪、寒邪を取り上げ、それぞれに合わせた東洋的スキンケア養生についてご紹介していきますね。

風が強い日は、肌の乾燥やかゆみに注意!

天気が晴れていても風が強い日はありますよね。そういった日は、肌の乾燥やかゆみに注意が必要です。と言うのも、風が強いと言うことは、風邪(ふうじゃ)と燥邪(そうじゃ)によって、肌トラブルが起きやすくなっている状態を意味します。

昨日までは普通だったのに、急に肌が乾燥するなと思ったら、燥邪の仕業かもしれません。また肌がただ乾燥するだけなら、字のごとく燥邪(そうじゃ)によるものですが、痒みまで感じる場合には、風邪が合わさっている可能性が高いです。

風邪には、"遊走性"という性質があり、あちこち移動するようなイメージで、肌表面で悪さをするのです。その結果、肌にかゆみを感じると言うわけです......。

風邪と燥邪による乾燥やかゆみのトラブルを解決するためのスキンケア養生法として、まず風邪を取り除くこと。なぜなら、風邪は燥邪だけでなく、寒邪や湿邪など、他の邪気を連れてくる性質も持っています。そのため、まずは風邪を取り去らなければ、いくら燥邪を取り去ってもまた連れてきてしまう可能性があるわけです。

風邪を取り去るためには、風邪を追い出してくれる働きのあるツボ、風門・風地・膈兪あたりを温めてあげるといいでしょう。背面なので、首まで湯船に浸かったり、ホットタオルを首元にしばらく当てたりするのもおすすめ。また風が強いなと思った日は、マフラーをして風門・風地・膈兪あたりに風が当たらないようにして、風邪の侵入を防いでくださいね。

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燥邪に関しては、生津(せいしん)といって、潤いの働きを保つ津液を生み出してくれる食材を積極的に摂りましょう。

Ex: 秋冬なら蓮根やあんず、柿、梨、パイナップル、ブドウなどがおすすめ。

一般的なスキンケアでは、肌の潤いを保つNMFと言う天然保湿因子が、秋になると、働きが弱まるので、NMFの材料となるアミノ酸や尿素などの保湿剤が配合された化粧品をたくさん塗るようにしてあげましょう。

曇りと雨の日は、むくみや吹き出物に注意!

曇りと雨の日は、一般的にも湿度が高いですよね。東洋美容の世界でも、湿が強くなりすぎると、湿邪(しつじゃ)と言う邪気が発生します。湿邪には、粘滞性と重濁性の性質があり、字のごとく体の中に停滞し、巡りを悪くさせます。

そのため、むくみが出てくるだけでなく、長く体内にいれば、痰湿というさらにやっかいな老廃物となり、体の中ではそれを排出しよとして、肌に吹き出物まで招いてしまいます。 この湿邪を取り去るためには、去湿の働きのある陰陵泉と三焦兪のツボがおすすめ。

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特に陰陵泉は足元にあり、自分でも刺激しやすいので、曇りの日と雨の日には刺激をしてあげるといいでしょう。また体内に溜まった湿は、今流行りのサウナや岩盤浴などを活用するのもいいですね。

一般的なスキンケアでは、湿邪に弱い胃の影響で消化吸収がうまく行かず、皮脂の分泌が過剰になることが考えられるので、皮脂によって毛穴が詰まらないようにするために角質ケアを心掛けるといいでしょう。

寒い日は、肌がくすむだけでなくシミが出来やすい日?!

寒い日には、寒邪と言う邪気に注意が必要です。寒邪には、凝滞性(ぎょうたいせい)の性質があり、体内の血流を悪くさせてしまいます。血流が悪くなるというのは、東洋美容の世界では、瘀血が生じることを意味します。肌色は、"血"の状態の表れでもあるので、寒邪を伴った肌はもちろんくすんでいきます。またシミといえば、紫外線の強い夏を想像する方も多いでしょう。でも東洋美容の世界では、シミは"瘀血の現れ"ともされています。そのため寒い日は、シミが出来やすい日と行っても過言ではないでしょう。寒邪を追い出すためには、散寒の働きのあるツボ、腎兪・命門・関元を温めてあげるのが良いですよ。

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腎兪と命門は背面にあるので、自分でケアするには難しい場合も。私のおすすめは、今日寒いなと思ったら、腹巻きすること、そうすれば、腎兪・命門・関元の三つのツボとも温めることができますよ。余裕がある方は、関元にお灸をするのもいいでしょう。関元には、体全身を温める働きも◎

一般的なスキンケアでは、肌温度をあげることで、血流も化粧品の馴染み度も上がるので、スキンケアの前に顔用のホットタオルで肌温度をあげたり、グルコシルヘスペリジンといって、いわゆるビタミンPなのですが、血流に働きかけてくれる成分が配合された化粧品を取り入れたりするのがおすすめですよ。

いかがでしたか?毎日のように当たり前に接している天気ですが、実は天気の中にも肌トラブルを起こす六邪が潜んでいることを分かっていただけたでしょうか?私たちは自然界と一体なので、ぜひ肌トラブルのない美肌を目指すなら、毎日の天気にも意識を向けてみて、天気に合わせた洋服を選ぶように、天気に合わせた東洋的スキンケア養生も取り入れてみてくださいね。

それでは、また次回お会いしましょう!

■著者プロフィール

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日中美容研究家 濱田文恵

「延美長寿」をテーマに毎日のセルフ美容に西洋と東洋を組み合わせた独自の美養法を提唱。今あるキレイもこれから続くキレイも手に入れる。予防を根底に美容寿命を伸ばすための記事執筆・監修、セミナー講演や勉強会等を主宰し、女性誌やメディアで幅広く活躍中。(一社)日本セルフ美容協会代表理事、医薬品登録販売者、毛髪診断士、国際中医薬膳師

国際中医薬膳師 / 医薬品登録販売者 /日本エステティック協会認定エステシャン / 日本毛髪科学協会認定毛髪診断士 著書「運命をこっそり変える(2017)」

公式サイト:http://hamada-fumie.info/