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実力派エステティシャンになるには、資格取得が有利?

エステサロンに勤めるのがエステティシャンのワークスタイルの基本です。エステサロン内でも実力がつけば給与が上がり、やりがいも高まります。指名してくれる顧客が増えれば、独立して自分のエステサロンを持つことも夢ではありません。しかしそのためには、日常での努力と並行して資格取得による能力の証明も必要です。エステティシャン向けの資格について解説します。

エステティシャンに必要な力

まずはエステティシャンに求められるものについて見てみましょう。

エステティシャンという職業に求められるもの

エステティックに従事し、施術を行うエステティシャンには「身体についての知識」「施術で使用する薬剤や機器の知識」「美容に関する理論や施術の知識」「観察力、把握力、分析力、コミュニケーション能力」「接客マナーやホスピタリティの高さ」が求められます。プロのエステティシャンは、こうした能力を駆使して、一日のスケジュールに沿って、業務を行うことになります。

サロンを訪れるお客様のニーズや、肌の調子などは人それぞれです。そういった状況を判断して、お客様の希望をヒアリングし、希望に沿った結果を出すのがエステティシャンの役割です。そのためには知識と実際の施術経験が豊富なこと、新しい手法や知識に対する探究心、結果を出すことへのこだわりが求められることから、簡単な仕事ではありません。なかには難しい要求水準で厳しいことを言われることもあるでしょう。しかし、それらも成長の機会であり、自分の喜びや励みに変えられる精神力も必要となってきます。

エステティシャンになるための必要な国家資格はない

専門的な知識や技術が求められ、お客様に対してボディやフェイスなどトータルに美容に関する施術をするエステティシャンですが、国家資格は必要とされていません。やる気と技術があれば、エステティシャンとしてデビューできるのです。

しかし、自分の能力の証明にもなる資格を取得しておくと活躍の幅が広がります。資格取得は就職の際にも有利なだけでなく、独立を考えている場合にも役立ちます。

エステティシャンとしての実力の証明、資格取得

それではエステティシャンに関する代表的な資格について見てみましょう。(資格取得条件や受験料、会場など詳細は該当認定団体の公式サイトをご確認ください。)

日本エステティック協会の資格

日本エステティック協会のAJESTHE認定資格の概要を紹介します。資格取得については、まず日本エステティック協会の正会員であることが必要です。

(日本エステティック協会公式ホームページ参照 https://ajesthe.jp/esthetician/details_est/

  • AJESTHE認定エステティシャン:「基本的な知識・技術をもち、担当範囲のエステティックサービスを適切に提供できる能力を有するエステティシャンに与えられる資格」です。

資格取得条件:以下の(1)(2)の両方の要件に該当する正会員者(※要証明)

(1)エステティシャンセンター試験の合格

(2)協会認定校での300時間以上のコースまたは1,000時間以上のコース修了、またはエステティシャンとしての実務経験が1年以上あること。

試験内容:実技(フェイシャル/ボディ:手技のみ)と筆記試験(4肢択一・マークシート式100問)

  • AJESTHE認定上級エステティシャン:「専門的な知識・技術を有し、お客様ニーズに応えるエステティックサービスを提供することで店舗・サロンの利益やお客様満足を実現できる能力を有するエステティシャンに与えられる資格」です。

資格取得条件:資格取得条件:以下の(1)(2)いずれかに該当する正会員

(1)協会認定校にて1,000時間以上のコースかCIDESCO国際認定校コースを修了し、筆記試験・技術試験(認定校試験)に合格(在学中の技術試験で不合格科目がある場合は、科目に対応した技術試験対策講座を受講し試験に合格すること)※認定校試験を未受験の場合は、筆記試験・技術確認試験に合格(技術確認試験で不合格科目がある場合は、科目に対応した技術試験対策講座を受講し試験に合格)

(2)AJESTHE認定エステティシャン資格取得後2年以上、または通算5年以上の実務経験を有し、筆記試験・技術確認試験に合格(技術確認試験で不合格科目がある場合は、科目に対応した技術試験対策講座を受講し試験に合格すること)

試験内容:技術試験(フェイシャル手技、フェイシャル機器、ボディ手技、ボディ機器、メイク・ネイル)と筆記試験(4肢択一・マークシート式)

  • AJESTHE認定トータルエステティックアドバイザー:「エステティックを総合的に深く理解し、お客様に求められる実践力とサロンでの指導力を有しているエステティシャンに与えられる資格」です。

資格取得条件:以下(1)~(4)の条件に該当する正会員

(1)AJESTHE認定上級エステティシャン資格もしくはCIDESCO資格の取得※

(2)AJESTHE認定上級エステティシャン資格取得後2年以上または通算5年以上の実務経験

(3)資格取得講座の受講

(4)資格取得試験の合格

※CIDESCO資格にて受験の場合は、AJESTHE上級エステティシャン資格の申請手続きが必要です。

試験内容:筆記試験(新エステティック学等に関する等)と、実技試験(プレゼンテーション、ロールプレイング)

  • AJESTHE認定フェイシャルエステティシャン/認定ボディエステティシャン:「衛生面、安全面を踏まえ、エステティックの基礎知識とフェイシャルケア・ボディケアの基礎を有しているエステティシャンに与えられる資格」です。

資格取得条件:エステティックに関わる勉強、仕事をされている方であればどなたでも受験可能。

個人申込みの方は試験合格後、資格申請条件の証明手続きが必要です。

資格申請条件:試験に合格し、以下(1)~(3)のいずれかの要件に該当する(要証明)

(1) 協会認定校または理・美容師養成施設で60時間以上のエステティック過程を修了

(2) 800時間以上の実務経験者(週40時間換算で6ヵ月を目安とする)

(3) AJESTHE登録教室において所定の認定FEコース・認定BEコース(60時間以上)を修了

試験内容:筆記試験(4肢択一・マークシート方式)

  • AJESTHE認定衛生管理者:「エステティックに従事する者全てが共通の認識として修得、遵守することで、感染症の蔓延防止等公衆衛生の向上につながり、エステティシャン自身の安全確保を含め、消費者の利益保護に寄与することを目的とした資格」です。

資格取得条件:公益財団法人日本エステティック研究財団の「エステティックの衛生基準eラーニング」の受講。受講対象者は、協会会員および協会認定校の学生、AJESTHE認定フェイシャルエステティシャン、AJESTHE認定ボディエステティシャンです。

  • AJESTHE美肌エキスパート(美肌検定):「美肌に関する正しい知識を広く普及させることを目指し、協会が主に一般の方に向けて実施している検定」です。

資格取得条件:どなたでも受験できます。年齢や性別の制限はありません。

試験内容:指定のテキストからの出題で、60分の試験時間です。

  • CODES-JAPON認定ソシオエステティシャン:日本エステティック協会では、ソシオエステティシャンとは、「医療機関や社会福祉施設の専門家チームと協力しながら、医療や福祉に関する知識に基づいたエステティックを通じてケアを行うエステティシャン」としています。

日本ではCODES-JAPANがフランスのソシオエステティシャン養成機関CODESと提携して資格認定をしています。

資格取得条件:ソシオエステティシャン養成講座の修了、インターン実習の実施ならびに報告書の提出

ソシオエステティシャン養成講座の受講資格:次の(1)または(2)に該当する正会員(要証明)

(1)認定上級エステティシャン資格取得

(2)認定エステティシャン資格取得および通算5年以上の実務経験(エステティックの実務経験が無い場合でも、医療・介護・社会福祉施設等、現場での実務経験が5年以上あれば可)

講座内容:社会福祉分野Ⅰを12日間(4日間×3回)約3ヵ月、社会福祉分野Ⅱを8日間(4日間×2回)約2ヵ月、医療分野を12日間(4日間×3回)約3ヵ月にわたって学びます。

日本エステティック業協会の資格

以下の資格取得の条件は、「AEA認定校にてカリキュラムの履修」か、「エステティックサロンでの実務経験(フェイシャルまたはボディ)」が必要です。認定試験は筆記と実技です。さらに上位の資格取得を目指したいエステティシャン向けには、最上位資格としての「AEAインターナショナルエステティシャン」があります。

(日本エステティック業協会公式ホームページ参照http://www.esthesite.jp/aea_esthetician/about_license/

  • AEA認定エステティシャン(基礎資格):エステティックに関連する実務経験(フェイシャルまたはボディ)が1年以上あることが条件です。
  • AEA上級認定エステティシャン(上位資格):実務経験(フェイシャルまたはボディ)2年以上か、AEA認定エステティシャン資格または他団体の同等以上の資格取得後、フェイシャルまたはボディに関する実務経験を1年以上持っていることが条件です。
  • AEA認定インターナショナルエステティシャン(最上位資格):

受験条件:次の(1)~(3)のいずれかの要件に該当

(1)AEA上級認定エステティシャン資格を取得後、フェイシャルまたはボディに関する2年以上の実務経験を有する

(2)AEA上級認定エステティシャン資格を保有していて、フェイシャルまたはボディに関して通算3年以上の実務経験を有する

(3)次の国内資格、国際資格のいずれかを有し、フェイシャルまたはボディに関して通算3年以上の実務経験がある

国内資格:一般社団法人日本エステティック協会の「認定トータルエステティックアドバイザー(TEA)」

国際資格: CIDESCOインターナショナルディプロマ、ITEビューティセラピスト、INFAゴールドマスター国際パスポート レベル2 ビューティシャン

試験内容:筆記のみで、テキスト・例題集からの出題。

エステティシャンの国際資格:INFA(国際エステティック連盟)認定のライセンス

ベルギーで設立されたエステティック教育専門の国際組織であるINFA(International Federation of Aestheticians)が認定するINFA国際ライセンスは、国際的に通用する資格です。欧米ではエステティシャンとしての能力を証明する資格とされており、INFA国際ライセンスを取得すると、アメリカやヨーロッパをはじめ、世界各国でも活躍できます。もちろん日本でも評価が高いのは言うまでもありません。
日本での受験条件は、INFA JAPANの認定校で規定のカリキュラムを修了することが条件です。その後の試験に合格することで国際的に通用する資格が取得できます。将来的に世界で活躍するエステティシャンになるための目標としておくのもいいかもしれません。

エステの仕事や独立に生きる資格各種

続いては、エステに関連する資格で、取得しておくと技術のPRや、新しいサービスの提供に役立つものを紹介します。

「鍼灸師(はり師・きゅう師)」(国家資格)

「鍼灸」は中国伝来、日本古来の民間の健康維持・増進を目的とした鍼(はり)と灸(きゅう)による施術を指します。実は、この鍼灸の技術がエステにも役立つので、最近注目されています。そもそも鍼灸は、鍼や灸を使ったツボ等への刺激による血行促進、細胞の活性化などの効果があり、それが肌荒れのようなお肌のトラブルにも効果が期待できるといわれています。最近ではサロン等で「美容鍼灸師」として、美容のために鍼灸を施術し活躍するケースも増えています。
従来の器具や薬剤による施術のほか、鍼灸について学び、資格を取得しておけば、エステティシャンとしての仕事の幅も広がるでしょう

鍼灸師の資格の詳細は、「鍼灸師になるための資格は必要?その道のりや国家試験について」の記事もご覧ください。

美容関係の資格各種

エステサロンは「美」を求める人のニーズで成り立っています。それに直接応えるような技術や知識をできるだけ修得しておくと、お客様に喜ばれ、集客効果も期待できます。また、エステティシャンとして個人の価値も高めることができるので、次のような資格取得もおすすめです。

  • スキンケアアドバイザー/カウンセラー(一般社団法人日本スキンケア協会):エステティシャンとしてのスキンケア施術に直接役立つ資格です。
  • 日本化粧品検定(日本化粧品検定協会):化粧品に含まれる成分についての科学的な知識を修得できます。
  • 美容薬学検定(薬学検定事務局):美容のための薬剤等についての専門知識を修得できます。
  • その他:ネイルに関する資格、ヘルシー&ビューティーフードアドバイザーの資格、リフレクソロジーに関する資格、リンパセラピストの資格、美容師免許、日本メイクアップ技術検定、アロマテラピー検定等は、エステティシャンとして付加価値サービスが提供できるものです。

資格取得は自分自身の成長の糧となる

エステティシャンになるために必ず取得が必要な資格はありません。だからこそ、実力をつけて、お客様に認められ、信頼されなくては成功できない職業であるとも言えます。実力を付けるために利用したいのが、資格取得をめざす学びの機会です。

また、将来的にエステティシャンとして活躍の場を広げるために、鍼灸師のような国家資格を取得しておくのもよいでしょう。

今回紹介した資格取得に関する記事を参考に、自分が成長するためにはどのようなキャリアを積んでいけばよいのかを考えておくようにしましょう。