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柔道整復師について知る

最終更新日: 2026.06.22 公開日: 2026.06.22

柔道整復師の年収はいくら?初任給・収入を上げる方法を解説

「手に職はつけたいけれど、柔道整復師として本当に生活していけるのだろうか」----進路を考える高校生やご家族にとって、収入の不安は避けて通れないテーマです。この記事では、柔道整復師の平均年収や初任給を公的データで示しながら、「食えない」と言われる理由の真相、収入を伸ばす具体的な方法までを整理します。数字の意味を正しく理解し、納得して進路を選べるようサポートします。

まずは「結局いくらなのか」を先にお伝えします。以下は柔道整復師の収入の目安です。

項目目安
平均年収約454.2万円(令和7年賃金構造基本統計調査ベース)
求人賃金月額約27.2万円(令和6年度・ハローワーク求人統計)
初任給月給23万円前後〜
パート・アルバイト時給1,100〜1,500円前後
年収アップの主な道院長・管理職、機能訓練指導員、スポーツ・自費領域、ダブルライセンス、独立開業

柔道整復師の平均年収はいくら?最新データで結論を解説

最初に、柔道整復師の収入の全体像を公的データで確認します。平均年収・初任給・手取りの3つを押さえれば、就職直後の生活イメージがつかめます。

平均年収は約454.2万円、求人賃金月額は約27.2万円

厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag(職業情報提供サイト)」によると、柔道整復師の平均年収は全国平均で約454.2万円とされています(令和7年賃金構造基本統計調査ベース)。これは柔道整復師が属する職業分類に基づく平均値であり、若手から経験者までを含んだ目安として見る必要があります。一方、同サイトに掲載されているハローワークの求人賃金(月額)は約27.2万円です。年収は賞与を含む「総支給額の実績」、求人賃金は「募集時の月額」であり、算出の前提が異なります。そのため月額を単純に12倍しても年収とは一致しない点に注意しましょう。

初任給は月給23万円前後が一つの目安

新卒で接骨院・整骨院に正社員として就職した場合、初任給は手当を含めて月給23万円前後からスタートするケースが多く見られます。公的データの経験年数別グラフでも、若手の給与水準は平均年収より低めに出やすく、求人サイトでは「25万円」前後の表記も見られます。雇用形態は正社員だけでなく、契約社員・派遣・アルバイト・パートなど多様です。アルバイト・パートは時給制で、地域別最低賃金(厚生労働省)から1,500円程度が目安となります。多くの院では3か月程度の試用期間中は給与がやや低めに設定されるため、昇給制度やスキルアップ支援の有無を入職前に確認することが大切です。

手取り・ボーナス・月収の見方をわかりやすく解説

求人票に書かれている金額は税金や社会保険料が引かれる前の「額面」です。一般に、健康保険料・厚生年金・所得税・住民税などが差し引かれると、手取りは額面のおおよそ75〜85%になります。たとえば月給23万円なら、手取りは18〜19万円前後がイメージです。ボーナスについては、柔道整復師を含む「その他の保健医療従事者」の年間賞与は平均で約65.9万円と賃金構造基本統計調査(政府統計の総合窓口)で公表されていますが、賞与の有無や支給月数は勤務先の経営状況や給与規定によって大きく変わります。月収・年収・手取りは別物として、求人票では基本給・手当・賞与の内訳まで見る習慣をつけましょう。

公的データを見るときの注意点

年収を調べるときは、数字の「出どころ」を意識することが欠かせません。job tagの統計には「統計データは必ずしもその職業のみのデータを表すものではない」という注意書きがあり、柔道整復師の約454.2万円も職業分類に対応する統計として扱う必要があります。注意したいポイントを整理します。

  • 平均値である:若手から経験者まで含むため、就職直後は平均より低めになりやすい
  • 調査年で変動する:年度ごとに数値は更新され、過去には423〜459万円の幅がある
  • 月額×12は年収ではない:求人賃金と年収実績は前提が異なる

こうした前提を踏まえ、平均はあくまで「目安の中心値」として捉えることが大切です。

柔道整復師の年収は何で変わる?年齢・地域・職場で比較

平均年収はあくまで中心値で、実際の収入には幅があります。ここでは年齢・地域・職場・職種という4つの切り口から、差が生まれる理由を見ていきます。

年齢・経験年数とともに収入が上がりやすい傾向がある

柔道整復師は技術職のため、経験を積むほど患者からの信頼が高まり、リピーターや紹介が増えて収入につながりやすい職業です。公的データの年齢別分布でも、20代前半は350万円前後から始まり、40代前半でピークを迎えやすい傾向が見られます(job tagの賃金分布)。ただし、年齢に比例して一直線に上がるわけではありません。役職に就くか、専門技術を磨くか、働き方をどう選ぶかによって、同じ年齢でも収入には差が出ます。「経験を重ねると上がりやすい」という傾向を理解したうえで、自分の伸ばし方を考えることが重要です。

都市部と地方で年収に差が生まれる理由

柔道整復師の賃金は地域によっても異なります。一般に都市部は人口が多く需要も大きいため給与水準が高めになりやすく、物価・生活費が高いことも背景にあります。公的データ上でも、東京・愛知などの都市圏は全国平均を上回る一方、地域によっては平均を下回るところもあります。ただし、地方でも需要や施術所数しだいで400〜500万円台となる地域もあり、「都市部だから必ず高い」とは言い切れません。働きたい地域の水準は、その地域の求人で具体的に確認しておきましょう。

接骨院・整形外科・介護施設・スポーツ現場での違い

収入は勤務先のタイプによっても変わります。それぞれ仕事内容が異なり、収入が伸びる条件も違うため、職場別に整理しておきましょう。

職場主な仕事内容収入が伸びる条件
接骨院・整骨院外傷対応、手技、固定、後療、患者対応指名・リピーター獲得、院長・管理職への昇格
整形外科医師の指示下でのリハビリ補助組織内評価、経験年数、専門性
介護施設機能訓練指導、運動メニュー作成介護・リハビリ知識、施設経験
スポーツ現場選手のケア、応急対応、コンディショニング実績、人脈、専門性

なお、勤務先の施設規模も影響します。令和6年賃金構造基本統計調査(政府統計の総合窓口)では従業員1,000人以上の施設で約477万円、10〜99人規模で約385万円と、規模が大きいほど高い傾向が見られます。

理学療法士・鍼灸師など他の医療系資格との比較

近い職種との比較も気になるところです。job tag上では柔道整復師が約454.2万円、理学療法士・作業療法士が約443.6万円と表示され、数値は大きく離れていません。ただし、これらはいずれも職業分類ベースの統計で、理学療法士と作業療法士は同一区分、はり師・きゅう師は「その他の保健医療従事者」としてまとめられているなど、対象範囲が異なります。そのため「柔道整復師の方が必ず稼げる/稼げない」と単純比較はできません。判断材料は、勤務先・役職・専門性、そして独立開業が認められているかどうかまで含めて考えることが大切です。柔道整復師は開業権を持つ点が、理学療法士・作業療法士との大きな違いです。鍼灸師との関係は、後述のダブルライセンスの項もあわせてご覧ください。

柔道整復師は年収が低い?「食えない」と言われる理由

進路選びで最も不安なのが「食えない」という噂でしょう。ここでは、その背景にある事情を冷静に確認したうえで、前向きな材料も示します。

接骨院の競争激化と保険診療への依存

「食えない」と言われる大きな理由の一つが、接骨院・整骨院の経営環境です。施術所の数が増えて競争が激しくなり、さらに一部の不正請求問題を受けて保険請求への監視・取り締まりが強化されました。保険診療に依存した経営では収益を確保しづらくなっており、これが収入の不安につながっています。ただし、これは「資格そのもので食べていけない」という意味ではなく、保険診療だけに頼る経営モデルが厳しくなっているということです。そのため近年は、保険診療だけに依存せず、姿勢改善・コンディショニング・予防ケアなどの自費施術を組み合わせる院も見られます。

勤務先・スキル・役職によって収入差が大きい

柔道整復師の収入は、勤務先・スキル・役職によって幅が大きいのも特徴です。平均値だけを見ると高給とは言いにくい一方、経験を積んで院長やエリアマネージャーになれば収入が大きく伸びるケースもあります。逆に、若手のうちや拘束時間の長い職場では「割に合わない」と感じやすく、それが「食えない」という印象につながることもあります。同じ資格でも働き方しだいで結果が変わる----これが実態に近い理解です。

一方で介護・スポーツ・自費領域は活躍の場が広がっている

不安材料がある一方で、追い風も確かにあります。高齢化を背景に介護分野での機能訓練指導員の需要は高まり続けており、接骨院勤務より好条件で就職できるケースも増えています。スポーツ現場でのケアや、技術を磨いた自費施術の領域も広がっています。介護・スポーツ・自費施術など、活躍の場が接骨院・整骨院以外にも広がっている点は心強い材料です。つまり「食えない」は一面的な見方であり、領域の選び方と専門性しだいで活躍の場は着実に広がっています。具体的な収入アップの道は次章で解説します。

柔道整復師が年収を上げる5つの方法

ここからは、柔道整復師が収入を伸ばすための現実的な5つの道を、達成の条件とあわせて紹介します。自分に合うルートを見つける手がかりにしてください。

1. 技術と接遇力を高めて院長・管理職を目指す

組織で働きながら年収を上げる王道が、院長・副院長やエリアマネージャーなどの管理職を目指す道です。役職に就けば、施術の技術だけでなく、売上管理・スタッフ教育・集客といったマネジメント力が求められます。売上やリピーター率に応じてインセンティブが付く院もあり、こうした仕組みのある職場では昇給の機会が広がります。技術力に加え、患者対応(接遇)とマネジメント力を磨くことが、組織内で収入を伸ばす近道です。

2. 介護分野の機能訓練指導員として働く

柔道整復師の資格があれば、特別な追加資格なしに介護施設の機能訓練指導員として働けます。高齢者の歩行練習や筋力トレーニング、リハビリメニューの提案などを担う仕事で、高齢化が進む今、需要が高まっています。施設によっては接骨院・整骨院での勤務より好条件で就職できることもあり、安定して働きたい人に向いた選択肢です。医療と介護の知識を組み合わせられる点も、柔道整復師ならではの強みといえます。

3. スポーツ・トレーナー領域の専門性を高める

スポーツ分野で専門性を高める道もあります。アマチュアからプロまで、選手の身体をケアするトレーナーは、ケガの応急対応やコンディショニングで活躍します。プロチームや選手の専属トレーナーは一般の求人にはほとんど出ず、実績や人脈で声がかかるケースが中心です。選手の状態を見極める高い技術に加え、医師やコーチと連携できるコミュニケーション力が問われます。在学中から部活動・スポーツイベント・実習・トレーナー関連の学びを通じて現場経験を積んでおくことが、この領域でのキャリア形成につながります。

4. 鍼灸師などのダブルライセンスを取得する

柔道整復師に鍼灸師やあん摩マッサージ指圧師などの資格を加える「ダブルライセンス」も、収入アップの有効な手段です。提供できる施術の幅が広がり、より専門性の高い対応が可能になることで、自費施術の単価を上げやすくなるのがメリットです。複数資格は患者からの信頼や指名にもつながり、開業時の強みにもなります。学校によっては柔道整復師と鍼灸師を同時に学べる課程や、ダブル受講向けの学費減免制度があります。柔道整復師と鍼灸師の組み合わせについて詳しくは、柔道整復師と鍼灸師、ダブルライセンスのメリットとは?もあわせてご覧ください。

5. 独立開業で収入の上限を広げる

柔道整復師は開業権を持つ国家資格であり、独立開業は収入の上限を大きく広げる道です。勤務では平均年収が400〜500万円台にとどまりやすい一方、開業すれば施術方針や料金を自分で決められ、経営が軌道に乗れば、勤務時代より収入の上限を広げられる可能性があります。たとえば、仮に利益率を20%とすると、年収1,000万円を確保するには年間5,000万円規模の売上が必要になります。実際の利益率は家賃・人件費・広告費・施術単価などで変わるため、開業後は施術技術だけでなく経営管理も重要です。自費施術の設計、SNSなどでの情報発信や指名獲得につながる取り組みも、開業後の収入を支える要素になります。開業の流れや手続きは柔道整復師として独立開業するには?が参考になり、実際に開業した先輩の様子は開業した卒業生の事例で確認できます。

年収だけで後悔しない柔道整復師の進路選び

年収は大切な判断材料ですが、それだけで進路を決めると後悔につながりかねません。資格取得までの全体像と、学校選びの視点を確認しておきましょう。

柔道整復師になるには国家試験の受験資格が必要

柔道整復師として働くには国家資格が必要で、その受験資格は文部科学大臣・厚生労働大臣が指定した養成施設(専門学校や大学)で所定の課程を修めることで得られます(試験の実施は公益財団法人 柔道整復研修試験財団)。つまり「専門学校・大学で学ぶ → 国家試験に合格 → 就職」という流れが基本です。国家試験の合格率は年によって変動し、厚生労働省の合格発表によると近年の全国平均は60〜70%前後で推移しています。学校での学びと国家試験対策が、その後のキャリアの出発点になります。仕事内容や適性をさらに詳しく知りたい方は【徹底解説】柔道整復師とは?仕事内容、必要な資格、年収や適性についてもご覧ください。

学校選びでは国家試験対策・実習・就職支援を確認する

学校選びは、卒業後の働き方や収入の伸ばし方にも関わる大切なステップです。国家試験対策・実習経験・就職支援・卒業生ネットワークは、就職先の選択肢やキャリア形成に影響するため、収入を考えるうえでも確認しておきたいポイントです。たとえば日本健康医療専門学校(ニッケン)の柔道整復学科では、国家試験合格に向けた循環型の学習方式や校内実技認定制度を整え、就職サポートにも力を入れています。同校の柔道整復師国家試験合格率は、第34回国家試験(2026年3月発表)で97.2%(全国平均71.5%)と全国平均を上回り、就職率は100%です(最新の実績は公式の合格実績ページでご確認ください)。

オープンキャンパスで卒業後の働き方を具体的に聞こう

給与のリアルは、求人票の数字だけでは見えてきません。だからこそ、学校のオープンキャンパスで在校生や教員に直接質問するのがおすすめです。卒業生の就職先や働き方、自費診療・介護・スポーツといった進路の広がり、学費や奨学金の制度などを具体的に聞けば、年収の数字に厚みが出て納得感が高まります。気になる学校のオープンキャンパスに足を運び、卒業後の進路を自分の目で確かめてみましょうニッケンのオープンキャンパス情報も参考になります。

柔道整復師の年収に関するよくある質問

最後に、高校生やご家族からよく寄せられる質問にお答えします。進路選びの不安解消にお役立てください。

柔道整復師の年収は本当に低いですか?

平均年収は約454.2万円で、近い職種である理学療法士・作業療法士(約443.6万円)と大きくは変わりません。「低い」と言われるのは、若手のうちや保険診療に依存した職場で収入が伸びにくい場合があるためです。経験・役職・専門性・独立の有無によって幅が大きく、働き方しだいで伸ばせる職業だと理解するのが適切です。

柔道整復師で年収1000万円は可能ですか?

可能ですが、誰でも簡単に届く水準ではありません。現実的なルートは、独立開業で成功する、大手グループの院長・エリアマネージャーになる、プロアスリートの専属トレーナーになる、などです。たとえば独立開業の場合、仮に利益率を20%とすると、年収1,000万円には年間5,000万円規模の売上が一つの目安となり、経営スキルや専門性が欠かせません。

柔道整復師の初任給はいくらですか?

新卒で正社員として接骨院・整骨院に就職した場合、月給23万円前後からのスタートが一つの目安です。求人によっては25万円の表記も見られます。アルバイト・パートは時給制で1,100〜1,500円程度が目安です。試用期間中は給与がやや低く設定されることもあるため、求人票の条件を確認しましょう。

柔道整復師と理学療法士はどちらが稼げますか?

公的データ上の平均年収は柔道整復師約454.2万円、理学療法士約443.6万円とわずかな差で、どちらが必ず稼げるとは言い切れません。統計の対象範囲が異なるためです。大きな違いは、柔道整復師には開業権がある点です。独立開業によって収入の上限を広げられるのは、柔道整復師ならではの特徴といえます。

女性でも柔道整復師として安定して働けますか?

はい、性別による収入差を前提とする職業ではなく、女性も多く活躍しています。国家資格であるため、接骨院・整骨院、介護施設、スポーツ現場など複数の働き方を選びやすく、ライフステージに合わせた働き方を考えやすい点も魅力です。女性ならではの視点が活きる美容・産後ケア・女性専用の施術といった領域もあり、専門性を磨けば長く活躍できます。

専門学校の学費を考えても柔道整復師を目指す価値はありますか?

柔道整復師は国家資格であり、接骨院・整骨院、介護施設、スポーツ現場、独立開業など複数の進路を選べる点が特徴です。学費だけで判断するのではなく、国家試験合格率、就職支援、卒業後の働き方、奨学金制度まで含めて検討することが大切です。気になる場合は、オープンキャンパスや個別相談で卒業生の進路や就職先を確認してみましょう。

まとめ:柔道整復師の年収は働き方とスキルで伸ばせる

柔道整復師の平均年収は約454.2万円で、初任給は月給23万円前後が目安です。年齢・地域・職場・役職によって幅があり、「食えない」と言われる背景には接骨院の競争激化や保険診療への依存がありますが、介護・スポーツ・自費領域では活躍の場が広がっています。院長・管理職、機能訓練指導員、スポーツ専門、ダブルライセンス、独立開業など、努力と働き方しだいで収入は着実に伸ばせる職業です。数字の意味を正しく理解し、まずはオープンキャンパスで卒業後の働き方を具体的に確かめながら、前向きに進路を選んでいきましょう。