柔道整復師について知る
最終更新日: 2026.09.02 公開日: 2026.09.02「柔道整復師になりたいけれど、高校生の自分は今から何をすればいいのか分からない」。そう思って検索した方に向けた記事です。まず結論から言うと、柔道整復師になるまでの道のりは次の5つのステップに整理できます。
この記事では、仕事内容から学校選びまでを公的なデータで整理し、良い面も厳しい面も両方お伝えします。「やめとけ」という言葉が気になっている方も、読み終えたときに自分で判断できる状態を目指しましょう。
柔道整復師がどんなケガを扱い、どこで働いている職業なのかを整理します。よく混同される整体師との違いもあわせて確認しましょう。
柔道整復師は、スポーツや日常生活で生じた打撲・捻挫・脱臼・骨折などのケガに対して、手術や薬を使わず、手を用いた方法で回復を図る国家資格です。厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、施術の過程は評価、整復、固定、後療法、指導管理に分かれます。
最初の「評価」では、問診・視診・触診で患者の状態を把握し、柔道整復師の業務範囲かどうかを判断します。続く整復で骨や関節のずれを手技で戻し、固定で患部を安定させ、後療法(手技療法・運動療法・物理療法)で治癒と機能回復を促し、日常生活の指導管理まで行います。
ここで押さえておきたいのが、医師との役割の違いです。柔道整復師は外科手術や薬品の投与を行いません。また骨折や脱臼については、応急手当てを行う場合を除き、医師の同意を得てから施術します。役割を分担し、必要に応じて医師と連携しながら働く職業だと理解しておきましょう。
job tagの「労働条件の特徴」には、柔道整復師は独立開業するほか、接骨院や病院、介護・福祉施設での勤務、スポーツ分野でのトレーナーとして就業する場合があると記載されています。整理すると次のようになります。
ここで、スポーツ好きの高校生に伝えておきたいことがあります。柔道整復師の国家資格を取ることと、スポーツトレーナーになることは別の話です。「スポーツトレーナー」という名称の国家資格はなく、柔道整復師の免許を取れば自動的にプロチームに帯同できるわけでもありません。
スポーツの現場で働くには、柔道整復師の知識と技術に加えて、トレーニングやコンディショニングの学びと現場経験の積み重ねが必要です。養成校の中には、スポーツ分野の学びを追加できるコースを併設する学校もあります。資格取得のその先に何を積み上げるのかまで、セットで考えておきましょう。柔道整復師の資格をスポーツ分野でどう生かせるかは、柔道整復師とスポーツトレーナーの違い・目指し方で詳しく解説しています。
柔道整復師とよく混同されるのが整体師です。柔道整復師の資格や業務は柔道整復師法という法律に定められていますが、整体師にはそうした法律がありません。両者は資格の性質そのものが異なります。
| 比較項目 | 柔道整復師 | 整体師 |
|---|---|---|
| 資格 | 国家資格 | 「整体師」を国家資格として定める制度はない |
| 学ぶルート | 指定された養成校で3年以上 | 民間スクール等(法令上の規定はない) |
| 法令上の位置づけ | 柔道整復師法に基づく | 資格を定めた法律はない |
| 業務 | 骨折・脱臼・打撲・捻挫などへの施術 | 独占的に認められた業務範囲はない |
| 健康保険 | 一定の負傷・条件に限り対象 | 対象外 |
注意したいのが健康保険です。「柔道整復師なら保険が使える」と単純化されがちですが、正確ではありません。対象になるのは、外傷性が明らかな打撲・捻挫・挫傷や骨折・脱臼など、原因がはっきりした負傷に限られます。全国健康保険協会も、柔道整復師のかかり方で、外傷性の負傷でない場合は健康保険が使えないと案内しています。日常的な肩こりや単なる筋肉疲労、疲労回復を目的とした施術は対象外で、その場合は全額自己負担です。整体師との違いは整体師を解説した記事でも確認できます。
受験資格の条件から国家試験、進学先の選択肢までを順に確認します。この記事の中心となるパートです。
まず簡単に言うと、高校卒業などで大学入学資格があり、指定された専門学校・大学などで3年以上学ぶと、柔道整復師国家試験を受験できます。法律上の正確な要件は、大学に入学することのできる者であって、文部科学大臣の指定した学校または都道府県知事の指定した養成施設で、3年以上、柔道整復師となるのに必要な知識と技能を修得すること、と定められています(厚生労働省「柔道整復師国家試験の施行」)。高校生の場合は、高校卒業後に養成校へ進学するルートが一般的です。
ここで最も大事なのは、独学や通信講座だけでは受験資格を得られないという点です。公益社団法人全国柔道整復学校協会によると、養成校の卒業に必要な単位数は99単位以上・2,750時間以上と定められています。実技や臨床実習を含むこの課程を修めること自体が、受験の前提条件です。
養成校では、身体の仕組みを学ぶ基礎から、実際にケガへ対応する技術までを段階的に学びます。学びの柱は次のとおりです。
国家試験の科目は厚生労働省「柔道整復師国家試験の施行」で公表されており、解剖学、生理学、運動学、病理学概論、衛生学・公衆衛生学、一般臨床医学、外科学概論、整形外科学、リハビリテーション医学、柔道整復理論および関係法規です。養成校で学ぶ内容が、そのまま試験範囲につながっていることが分かります。
試験は年に1回、例年3月に実施されます。厚生労働省の「第34回柔道整復師国家試験の合格発表について」によると、第34回(令和8年3月1日実施)は受験者4,434名に対し合格者3,170名、合格率71.5%でした。内訳は、新卒が2,982名中2,692名で90.3%、既卒が1,452名中478名で32.9%です。合格基準は、必修問題50問中40点以上、かつ一般問題200問中120点以上とされています。
新卒と既卒では合格率に大きな差があります。だからこそ学校選びでは、在学中の3年間の学習をどう支えてくれるかというサポート体制まで確認しておきたいところです。試験内容や難易度の詳細は柔道整復師国家試験の解説記事で扱っています。
柔道整復師の養成校には専門学校と大学があります。どちらを選んでも国家試験の受験資格は得られますが、性格は異なります。
| 比較項目 | 専門学校 | 大学 |
|---|---|---|
| 修業年数 | 3年 | 4年 |
| 学び方 | 資格取得に直結した実技中心 | 教養や研究も含む幅広い学び |
| 資格取得までのルート | いずれも国家試験の受験資格を得られる | |
| 学費 | 学校ごとに差が大きく、卒業までの総額での確認が必要 | |
| 実技・専門教育 | 早い段階から専門科目に入る | 初年次は教養科目の比重が高い場合がある |
| 大学ならではの学び | - | 学士の学位、研究、大学院進学という選択肢 |
| 就職までの期間 | 最短3年 | 4年 |
どちらが上という答えはありません。参考として、job tagには「この職業で実際に働いている人が多いと感じる学歴」として専門学校卒66.7%、大卒31.3%という数値があります。ただし合計が100%にならない調査のため、構成比ではなく傾向を示す参考値です。判断の軸は、4年かけて学位や研究の経験も得たいのか、3年で現場に出たいのかという自分の優先順位に置いてください。詳しくは専門学校と大学を比較した記事で解説しています。
柔道経験や文理選択、そして「やめとけ」という言葉まで、検索していて気になった不安を公的データで確認していきます。
結論から言うと、柔道の経験は国家試験の受験資格ではありません。柔道整復師法にも段位や競技歴を求める規定はなく、未経験で入学して資格を取る人は珍しくありません。この点で不安を感じていたなら、まず安心してください。
ただし「未経験だから何も気にしなくてよい」という話でもありません。柔道整復の技術は柔道の整復術を源流としており、養成課程には柔道を含む授業が置かれている場合があります。競技として強くなることを求めるものではなく、基礎から学ぶ前提で組まれているのが一般的ですが、内容や時間数は学校ごとに違います。授業として柔道がどのくらい入っているかは、志望校のカリキュラムで事前に確認しておきましょう。
高校の文理選択によって、柔道整復師への道が閉ざされることはありません。文系・理系どちらのクラスからも養成校に進学し、国家資格を取っている人がいます。
そのうえで確認が必要なのは入試です。入試科目や選考方法は学校ごとに異なるため、志望校の募集要項で必ず確認してください。総合型選抜や学校推薦型選抜では面接・書類・小論文が中心になることもあれば、一般選抜で学科試験が課される場合もあります。
補足すると、生物の知識は入学後に解剖学や生理学を学ぶ土台になり、国語力は専門用語の多い教科書を読み解く場面で効いてきます。どちらも「必須科目」ではなく「あると入学後に楽になるもの」と捉えてください。
「柔道整復師 やめとけ」という言葉を見て不安になった人もいるでしょう。ここでは感情論ではなく、公的な情報から何が言えるのかを確認します。
まず厳しい面からです。厚生労働省のjob tagの「労働条件の特徴」には、治療院では患者の都合に合わせて夜間勤務をするケースがあること、職場によっては土日祝日に診療する場合があること、急患には時間外でも対応することが記載されています。さらに、近年は救急医療体制の充実によって骨折などの疾患が病院で措置される傾向にあり、柔道整復師を取り巻く情勢は以前に比べて厳しくなっているとも書かれています。学校の宣伝でも個人の感想でもなく、厚生労働省のサイトに載っている記述です。
次に客観データです。job tagによると、柔道整復師の賃金(年収)は全国で454.2万円(令和7年賃金構造基本統計調査を加工)。ハローワーク求人統計データでは、求人賃金(月額)が27.8万円、有効求人倍率が3.17です(いずれも令和7年度)。求人自体は一定数あることが分かります。
ただし読み方には注意が必要です。job tagには「統計データは、必ずしもその職業のみの統計データを表しているものではありません」という注記があり、目安として見るべき値です。年収も平均値であり、実際の収入は勤務先や経験年数、働き方によって上下します。独立開業の場合は患者数によって収入に幅があるとも書かれています。
つまり、資格を取れば自動的に高収入が保証される仕事ではありません。開業を目指すなら、施術の技術に加えて経営や集客の力も必要です。施術所が増えてきた中で、選ばれるための工夫は避けて通れません。
一方で、悲観だけで判断するのも正確ではありません。求人倍率が示すとおり求人は存在し、働く場も接骨院だけに限られません。高収入が保証されるわけではないが、働き方には幅がある。だからこそ、自分がどのキャリアを目指すのかまで考えたうえで学校を選ぶ必要があるのです。就職先ごとの違いは柔道整復師の就職先を解説した記事で確認できます。
向き不向きは性格の良し悪しではなく、「この働き方を続けられそうか」で考えるものです。次の項目を自分に当てはめてみてください。
これは合否を判定するテストではありません。当てはまらない項目があったなら、その点を実際に確かめてから決めるのが確実です。
仕事内容や授業を自分の目で見ると、判断はしやすくなります。柔道整復師が自分に向いているか迷っているなら、養成校のオープンキャンパスで授業や実技の雰囲気を確かめてみるのも一つの方法です。
今の学年から実際にできる行動を、学習・言語化・学校見学の3つの角度で整理します。精神論ではなく、手を動かせることだけを挙げます。
前の章で触れたとおり、生物と国語は入学後に効いてくる科目です。ただし「生物と国語だけをやればいい」という話ではありません。高校生のうちにできることを行動レベルに落とすと、次のようになります。
特に入試方式と選考要素は学校ごとに違うため、募集要項で個別に確認することが欠かせません。評定が関わる方式なら、日々の定期テストがそのまま準備になります。気になる学校が出てきた時点で調べ始めておくと安心です。日本健康医療専門学校を候補に入れている方は、入試日程・選考のページで選考方法を確認できます。
志望理由は、面接や小論文で必ず問われる部分です。ここで大事なのは、部活経験の有無ではありません。入口は人それぞれで、どこから入っても構いません。
大切なのは、そこからもう一段深掘りすることです。「ではなぜ、理学療法士やトレーナーではなく柔道整復師なのか」を自分の言葉で説明できるようにしておくと、進路の軸がはっきりします。
たとえば「ケガをした直後から回復までを手技で支えたい」「将来、柔道整復師として接骨院・整骨院を開業する選択肢も持ちたい」といった理由が見つかれば、学校を比べる基準も自然に決まります。なお開業には、資格取得後の実務経験や研修などが関わります。将来開業も視野に入れている方は、柔道整復師として独立開業するまでの流れも確認しておきましょう。
実際の学びを確認する方法の一つが、オープンキャンパスです。授業や実技を見学でき、在校生や教員に直接質問できます。柔道整復師の資格を持つ教員が在籍している学校なら、現場で働いていたときの話も聞けます。
質問することを事前に決めておくと、参加の価値が大きく変わります。たとえば次のような内容です。
学年ごとの動き方の目安は次のとおりです。
| 学年 | この時期にすること | 具体的な内容 |
|---|---|---|
| 高校1年 | 職業と資格について調べる | 仕事内容・資格・進路の全体像をつかむ |
| 高校2年 | 複数校のオープンキャンパスに参加する | 実際に見て比べる |
| 高校3年 | 志望校を絞り込む | 入試方式・学費・出願時期を具体化する |
高校1〜2年生の段階で動き始めても、決して早すぎることはありません。むしろ複数校をじっくり比べる時間が取れる分、納得のいく選択がしやすくなります。日本健康医療専門学校では高校1年生・2年生向けの案内も用意しています。
学校を比べるとき、どこを見れば判断を誤らないのかを4つの観点で整理します。まず一般的な基準を押さえてから、具体的な学校の見方に進みます。
学校のパンフレットやWebサイトには、国家試験の合格率が大きく掲載されています。ただし数字の高さだけで比較してはいけません。合格率は分母の取り方で見え方が大きく変わるからです。
確認すべきポイントは次のとおりです。
なぜ分母が重要なのかは、前の章で見た第34回の全国データを思い出すと分かります。全体では71.5%でしたが、新卒だけなら90.3%と、同じ試験でも対象の取り方で数字は大きく動きます。「合格率100%」という表記も、限られた人数の中での100%かもしれません。数字を見たら、必ず「誰の中での何%か」を確認してください。
この基準は、本校の数字にも当てはめる必要があります。日本健康医療専門学校の第34回国家試験の合格率は97.2%で、これは本校の当該国家試験受験者に対する合格者の割合として公表しているものです。学校ごとの合格率を比べる際は、同じ条件の数字どうしで比較することが大切です。本校の実績の詳細は合格実績のページで公開しています。
なお、国家試験は直前だけで対策するものではありません。入学後の学習イメージを具体的に知りたい方は、柔道整復師国家試験に向けた3年間の勉強法も参考にしてください。
柔道整復師の仕事は手技が中心です。だからこそ実技と臨床実習の中身は、学校ごとの違いが出やすい部分になります。確認したいのは次の点です。
注意点として、実習量が多ければ必ず実力がつく、と単純に言い切ることはできません。時間数だけでなく、つまずいたときのフォロー体制まで含めて見てください。
学費は「初年度納入金」だけを見ると判断を誤ります。入学金・授業料・実習費・教材費・その他必要費用を含めた、卒業までの総額で比較してください。
奨学金や特待生制度は、条件や金額が年度によって変わります。国の制度は文部科学省「高等教育の修学支援新制度」、給付型・貸与型の奨学金は日本学生支援機構(JASSO)で最新の要件を確認できます。各校独自の制度名と金額は、必ず公式サイトで確認してください。本校の学費と支援制度は学費/奨学金のページに掲載しています。学費の全体像や支払い時期は柔道整復師の学費を解説した記事で確認できます。
先ほど説明した学校選びの観点で見ると、日本健康医療専門学校(ニッケン)にはこのような特徴があります。
まず修業年限は3年制で、柔道整復学科は午前部と午後部の2部制です。午前部は9:00〜13:05で定員90名、午後部は13:30〜17:35で定員30名。授業がまとまった時間帯に収まるため、残りの時間を実技の自主練習や部活動、アルバイトに充てやすい時間割になっています。
国家試験対策は、試験科目を正規のカリキュラムに組み込む形をとっています。別枠の勉強を始めるのではなく、日々の授業がそのまま対策になる設計です。実技・実習は、1年次に基礎医学と基本包帯法、2年次に臨床の基礎知識と柔道整復実技・臨床実習、3年次に応用実習とまとめという段階構成。就職支援では、各業界の採用担当者が来校する就職セミナーなどを実施しています。
校舎は東京・浅草橋にあります。通学は3年間続くものなので、通いやすさも必ず確認しておきたいポイントです。学校選びの観点をさらに詳しく知りたい方は学校選び5つのポイントの記事もご覧ください。
ここまでのチェックリストを手元に持ってオープンキャンパスに参加すると、比較の材料が具体的に集まります。日本健康医療専門学校では、柔道整復学科の授業・実技・学校生活を直接確認していただけます。
高校生から柔道整復師になるには、高校卒業等のあと指定された養成校で3年以上学び、国家試験に合格するという道のりを通ります。柔道の経験や文理選択は条件ではありませんが、独学だけでは受験資格を得られません。新卒と既卒では合格率に差があるため、在学中の学習をどう支えてもらえるかは学校選びの重要な観点になります。収入や働き方には幅があり、資格を取れば高収入が保証される仕事ではない一方、接骨院・医療機関・介護・スポーツと選択肢は広がっています。だからこそ学校選びでは、合格率の分母、実技と実習の中身、学費の総額、通いやすさを自分の基準で確かめてください。まずはじっくり比較したい方は資料請求から、実際の雰囲気を確かめたい方はオープンキャンパスから。どちらからでも、次の一歩になります。